「第28回全国車いす駅伝競走大会」が3月11日に京都市で開催され、都道府県代表17チーム(選手150人)が参加。大会に関わる人数は総勢3446人(選手含む)。協賛企業62社からのボランティアも派遣され、“京都の三大駅伝”としてすっかり定着している。

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「第28回全国車いす駅伝競走大会」が3月11日に京都市で開催され、都道府県代表17チーム(選手150人)が参加。国立京都国際会館から西京極陸上競技場までの5区間21.3キロをつなぎ、熱い走りを見せてくれた。また、沿道や競技場を埋める地元市民の応援が、大会をさらに盛り上げてくれた。

大会に関わる人数は総勢3446人(選手含む)。その上に、協賛企業62社からのボランティアも派遣されている。

この大会は、全国の身体障害者の方が参加する車いすによる駅伝競走大会を通じて、障害者の社会参加の促進と障害者スポーツの振興を図り、さらには障害者の方に対する理解を深めることを目的に、1990年より京都で開催されている。同大会は行政のバックアップの下、スポンサー企業、市民団体、ボランティアなどの協力によって運営され、今では「全国高校駅伝」「全国都道府県対抗女子駅伝」と並ぶ“京都の三大駅伝”としてすっかり定着してきた。

企業の活動は、多様なステークホルダーを含む社会との良好な関係があって初めて成り立つものであり、企業は社会を構成する一員として社会的責任を果たしていく必要がある。企業市民活動もその一環だ。

日本経団連の公益財団法人・企業市民協議会(CBCC)が行ったCSR(企業の社会的責任)をめぐる昨今の調査によれば、近年は、CSRの枠組みの中で社会貢献活動を再検討する傾向が強まっており、回答企業の約75%が「CSRへの関心の高まりが社会貢献活動に影響を与えている」と回答している。

そうした中、真に喜ばれる企業市民活動を行っていくためには、資金面の協力だけではなく、確固たるビジョンを株主・社員・地域社会に示して共感を得る努力をすると同時に、社員のボランティア活動を支援・促進し、さらには行政や市民団体との協調姿勢を強めていくことが大切である。

取り組み分野も広くなっており、「貧困・飢餓をなくす」「すべての人に健康と福祉を、質の高い教育をすべての人に」「ジェンダー平等の支援」「エネルギーを皆にそしてクリーンに」「働き甲斐のある経済成長」―など幅広く、扱う分野も増えている。

企業市民活動は、ややもすれば企業業績に左右され、業績が悪いと活動にブレーキがかかりやすい。しかし、こうした活動は継続性が重要であり、一過性のものであってはならない。それ故、なぜ企業市民活動が必要なのかをもう一度原点に戻って考え直し、苦しい中にも火を絶やさない工夫が必要であろう。

そのためには、確固たる企業理念を持ち、その理念を理解する多くの社員に支えられた活動にしていかなければならない。思い付きや他社との横並び意識で行われる活動では、社員から遊離した一部トップの考えだという批判が社員の間から出る。そうならないためにも、トップ以下の全社員が同じベクトルで動ける企業市民活動にしていきたいものである。

■立石信雄(たていし・のぶお)
1936年大阪府生まれ。1959年同志社大学卒業後、立石電機販売に入社。1962年米国コロンビア大学大学院に留学。1965年立石電機(現オムロン)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。日本経団連・国際労働委員会委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)「The Taylor Key Award」受賞。同志社大学名誉文化博士。中国・南開大学、中山大学、復旦大学、上海交通大学各顧問教授、北京大学日本研究センター、華南大学日本研究所各顧問。中国の20以上の国家重点大学で講演している。