目的地までの流れる景色をただ見つめるだけで、疲れた堅実女子には十分癒し効果がある鉄旅。今回は元祖・鉄子こと矢野直美さんに、女子が心から癒される鉄旅を3つ教えていただきました。温泉、風景、美味しいもの……あなたは何に一番癒されますか?

オススメその1:JR九州「或る列車」

ラグジュアリーな空間の中、美しい風景を眺めながらスイーツ・コースをいただけるのが九州を走る「或る列車」です。スイーツ・コースをコーディネートするのは、東京・南青山のレストラン「NARISAWA」のオーナーシェフである成澤由浩氏。成澤氏が実際に九州各地の生産者を訪れ、質の高さを確かめたものだけで作られるコースは、まさに至福の味。コースに使われる器も、九州の職人たちが特別に制作したオリジナルというこだわりです。

そして九州は、名湯がひしめく温泉パラダイスでもあります。美しさと美味しさに彩られる鉄道旅は女性にとってたまらなく幸せな時間を与えてくれ、そこに温泉が加わると、さらに癒やされ効果が高まります。

スイーツに舌つづみ。撮影/村上悠太

 「或る列車」http://www.jrkyushu-aruressha.jp/

オススメその2:江ノ島電鉄

江ノ島電鉄は、地元の方々や旅人たちから「江ノ電」の通称で親しまれる神奈川県の小さなローカル線。ドラマやCMの舞台になることが多く、「鎌倉」「稲村ケ崎」「江ノ島」は小説や音楽などによく登場しますので、関東周辺以外の方も、その名を耳にしたことが多いのではないでしょうか。最近も、漫画家の吉田秋生さんの作品『海街diary』に江ノ電が登場し、映画化されましたね。

短い路線ながらも、海あり、山あり、トンネルあり、住宅街や神社を横切ったりと、短いながらもさまざまな車窓に出合えます。途中下車して海を眺めたり、古い寺社で心を静め、街角のカフェでほっと一息。美しい風景を目にしながら、ゆっくりとした時間をすごせる路線です。

どこを撮っても絵になるフォトジェニックさ。

江ノ島電鉄 https://www.enoden.co.jp/

オススメその3:JR陸羽東線

沿線にいくつもの温泉郷が点在するJR陸羽東線は、「奥の細道湯けむりライン」の愛称で呼ばれています。途中には川渡温泉駅や鳴子温泉駅、中山平温泉駅、赤倉温泉駅など、温泉の名がつく駅が幾つもあります。どの温泉街も魅力的で、その中のひとつ、鳴子温泉は9種類もの泉質が湧く名湯の里。鳴子温泉駅にはノレンが下がり、駅前には無料の「足湯」、駅の近くには「手湯」が設けられるなど、湯けむりムード満点です。

車窓も大峡谷に奇石が連なる鳴子峡をはじめ、沿線に美しい緑が望め、リゾート列車「みのり」も走っています。これからの緑萌える夏、紅葉の秋、雪景色の冬、新緑の春、いつ訪れても森林浴と温泉で心も体もリフレッシュできる路線です。

温泉も街歩きも楽しい!

JR陸羽東線 https://www.jreast.co.jp/railway/joyful/minori.html

フォトライター・矢野直美さん

(教えてくれた人/矢野直美さん)

文筆・写真家。国内外を旅しながら写真を撮り、文章をつづる「フォトライター」。鉄道旅をこよなく愛することから「鉄子」の愛称でも呼ばれる。 各紙にフォトエッセイの連載を持ち、さまざまなメディアに登場。現在発売中の国鉄民営化30周年記念トリビュート・アルバム『JNRtoJR』では、「人あかりの路」の作詞にも挑戦。