村田諒太、不可解な判定でチャンピオンになれず

写真拡大

■不可解な判定

 20日、WBA世界ミドル級タイトルマッチが行われ、ロンドンオリンピック金メダリストで同級2位の村田諒太が、同級1位で暫定王者のアッサン・エンダムと対戦した。結果はまさかの判定負け(116-111、110-117、115-112)となりチャンピオンベルトを巻くことができなかった。村田は勝利を確信し左腕を挙げていたが軍配はエンダムに上がった。

 2人目の判定が110-117と7ポイントも差をつけていたが、他の2人の採点者はエンダムに挙げた。不可解すぎる判定に呆然とするのは村田だけでなかった。解説でも「不可解」と言った感じで「しいて言えば手数の多かったエンダムに票が入ったのか?」という解釈しかできなかった。会場からはブーイングが出るということはなかったが呆然としていたというのが正しい表現だっただろう。

■試合展開

 試合の流れは終始村田が圧倒していた。危なげない試合展開で相手にクリーンヒットを与えなかった。しかもダウンを一回奪い、ロープ際に追いつめた相手に対して放った拳はヒットし相手をよろめかすことも少なくなかった。エンダムはロープにつかまりながらなんとかダウンをも逃れているというシーンが何度もあった。

 序盤ではリング中央からエンダムに対しプレッシャーをかけたまらず前に出るエンダムが体力を消耗するような空振りを誘発させた。4ラウンド目あたりからは村田も手数を増やしガード上からでもダメージの残るパンチを繰り出した。8ラウンド目以降からはエンダムも疲れて来てクリンチが多くなった。

 いつ村田がKOしてもおかしくない試合展開に「次のラウンドで決まる」と思ったファンは少なくなかっただろう。それでもエンダムは粘り致命傷を与えられるということが無かった。

■エンダムの手数は多かったが

 エンダムも終盤になっても足を使って距離を保っていた。手数を多く出し、見る者を魅了していた。ダウンを取られたり、ストップが効かず何度もスリップをしたりしていた。それでもあきらめず自分のベストを出していたことは違いない。

 だが村田の難攻不落のガードの前では強引にうち、距離を詰められたらクリンチで逃げるしかなかった。そのため判定に突入した際、誰もが「これは村田の勝ちだ」と思ったことに違いない。

 1人目の判定がエンダムにいった際異様などよめきが起こった。それでも2人目の判定が7ポイントも差をつけ村田に挙げた。そして3人目の判定がエンダムにいき、村田がチャンピオンベルトを巻くことはなくなった。

 まさに「まさか」の判定で、採点競技のスポーツの難しさが如実に表れた試合となった。