[となりのテレ金ちゃん-テレビ金沢]2017年5月10日放送の「仰天コロンブス」のコーナーで、加賀市橋立町の北前船の里資料館から中継をしていました。


北前船の里資料館(Yusuke.ogawaさん撮影、Wikimedia Commonsより)

この橋立町は、かつての北前船の船主の家が残っており、独特な雰囲気の街並みです。

ハイリスク・ハイリターンな商売

船主の家は、赤い瓦の屋根と石垣が特徴で、その町並みや文化は4月、文化庁の「日本遺産」にも認定されました。残っている最も古い家は、塀の高さが3メートル、1000坪の敷地に、立派なシイの木もあるとても豪華な作りです。その家が現在、「北前船の里資料館」として、北前船の文化を伝えています。

資料館には、当時船の中で使っていた、海に落ちても壊れない金庫や、航海の安全祈願をした船絵馬などが飾られています。家は重厚な造りで、柱も立派、家の中に高価な仏壇が二つも置いてあるなど、とても裕福な生活が想像されます。かつては「日本一の富豪村」として新聞にも紹介されたこともあったそうです。

どうして、このように裕福だったのでしょうか? 

北前船は、江戸後期から明治時代にかけて、船主が各自で物を売り買いして航海していた、「動く総合商社」のようなものでした。

船主は、橋立から徒歩で大阪に行き、大阪に置いてある船で、中国地方を一回り、日本海に抜けて、北海道へと向かいます。

一回の航海で、千両、今で言うとおよそ1億円の利益を上げていたと言われています。

これが陸地だと、馬や人力で荷物があまり運べませんが、船ならば約150トンの荷物が運べ、北海道の海山物など需要の高いものを買い取っていました。

陸よりも危険が伴いますが、まさにハイリスク・ハイリターンで、たくさんの利益を上げたのです。(ライター:りえ160)