守備では齋藤(左)を封じ、攻撃では同点弾を決める。大岩が輝きを放つ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ12節]横浜 1-1 仙台/5月20日/日産スタジアム
 
 敵地・日産スタジアムに乗り込んだ仙台は、序盤から試合を支配。渡邉晋監督が「ボールの握り方、動かし方、意図的に作ったチャンス、どれを取っても今日は相手を上回っていたと自信を持っています」と振り返れば、横浜のエリク モンバエルツ監督も「今日はなかなか自分たちのクオリティーを出せなかった」と悔しさを滲ませていた。
 
 中でも際立ったパフォーマンスを見せていたのが、3バックの右に入った大岩一貴だ。守備では相手のエース、齋藤学のマークを担当。素早い出足でドリブルとパスをほぼ完璧に封じ、渡邉監督も「齋藤選手に蓋をするタスクを彼に託していました。流れの中で齋藤 選手が光り輝いたというようなところは、ほとんどなかったのかなと感じています」と目を細めた。
 
 大岩の活躍もあり攻守が噛み合っていた前半の仙台。しかし、少なくとも3度はあった決定機を立て続けに逃すと、45+1分に一瞬の隙を突かれて横浜の前田直輝に先制ゴールを奪われてしまう。大岩はこう振り返る。
 
「前節(大宮に1-2で逆転負け)に良くない負け方をしていたぶん、その反省をもってプレーできていた前半は、みんなで良い感じに戦えていたと思います。だからこそ、前半のうちに1点を取らなければダメだったし、もちろん失点してはいけなかった」
 
 試合の主導権を握りながら1点のビハインドを背負った仙台は後半、攻撃力の高い西村拓真と中野嘉大を投入するもゴールを奪えない。しかし77分、この窮地を大岩が救う。左CKから三田敏貴が上げたクロスを、ジャンプ一番でヘディングシュートを叩き込んだのだ。
 
「前半からマークが外せると思っていたので、良いボールがきたらチャンスがあると思っていました。上手く外すことができて、そこに良いボールがきた。ラッキーでした」
 
 今季初得点を本人はそう謙遜したが、ゴール前の混戦の中でマークを外してフリーになったポジショニングの妙、そして確実にボールをミートするヘディング技術の高さが生んだ素晴らしい一撃だった。
 
 J2の千葉から仙台に加入した昨季は、初のJ1ながら堂々たるパフォーマンスでレギュラーに定着。今季は2年目ながら副キャプテンの大役を任され、開幕からこの日まで全試合フル出場と完全に主力に定着した。責任感が増し、攻守に渡る自身のハイパフォーマンスよりも、チームが勝てなかったことを何よりも悔やんだ。
 
「勝ちたかった試合でした。前半はとくに楽しくできて、良い雰囲気でできたからこそ、点を取られてはダメだった」
 
 悪くないサッカーを見せながらここまで4勝2分け6敗となかなか結果が出ず、12節を終えて13位に沈む仙台。チーム浮上には、大岩の存在が欠かせない。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
 
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