涙をぬぐう谷花音ちゃん

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 「マインド・ゲーム」「四畳半神話大系」などで知られる湯浅政明監督のオリジナル長編アニメ「夜明け告げるルーのうた」の公開記念舞台挨拶が5月20日、東京・TOHOシネマズ新宿で行われ、湯浅監督をはじめ、声優を務めた谷花音ちゃん、下田翔大、篠原信一が出席した。

 19日に全国105館で封切られた本作は、自作の曲をネットにアップすることだけが心の拠り所の少年カイと、音楽が大好きな人魚の少女・ルーの出会いと別れの物語。主題歌に起用された斉藤和義の名曲「歌うたいのバラッド」をはじめ、音楽を効果的に使い、人間と人魚の交流を躍動感あふれる映像で描き出す。

 本作が誕生したきっかけは、湯浅監督が抱いた「心から好きなものを、口に出して『好き』と言えているか」という疑問。そこでこの日は、湯浅監督が声優キャスト3人への思いを手紙で伝えることになり、ルーのパパを演じた篠原には、映画終盤のシーンを例にあげ「篠原さんの声が乗ることで、娘への気持ちが強く伝わって良いシーンになったと思います。篠原さん、最高のパパでした」と感謝の言葉を贈った。篠原が、「娘と一緒に劇場に行きます。その時に言います、『監督大好き!』」と喜びを爆発させると、湯浅監督も「篠原さん、大好き!」と嬉しそうに応じていた。

 続けて湯浅監督は、カイ役の下田のオーディションを振り返り「(候補者の)みんなに『好きだ好きだ大好きだ』と叫んでもらった。うまい人はたくさんいましたが、下田くんの声だけ感動したんです」「下田くんの心を揺さぶる声にかけたいなと思って、お願いすることになりました」と明かす。そのうえで「下田くんのおかげで、心が揺れる青春時代の少年が完成したと思います」と感謝を述べ、「下田くん、大好きです!」。下田は、「監督、大好きです」と照れ笑いを浮かべていた。

 最後に、ルーを演じた“小さな主演女優”に視線を移すと「谷花音さん。谷さんが初めてスタジオで『ルー』としゃべった時に『ここにルーがいる』『これはもう、大丈夫だ』と思いました」とニッコリ。花音ちゃんが目をうるませながら見つめ返すと、湯浅監督は「谷さんの声は真っすぐな力強さ、透明感、素直さがあって、(ルーは)これを活かした声になっていた、演技になっていた」「谷さんのおかげでルーというキャラクターが可愛らしくありながらも、心に残るキャラクターになったと思います。ピュアで優しく、元気いっぱいで、でも少し大人なところもあるルーは谷さんなくしてはできませんでした」「谷さん大好きです!」と称賛した。

 コメントを求められた花音ちゃんは、嗚咽をこらえ、涙をぬぐいながら「こんなに声を褒められたのが初めてだったので、すごく……嬉しかったです。ありがとうございます」と言葉を絞り出し、弾けるような笑顔をみせた。