日本総合住生活のフランチャイズ店舗として東村山市のUR団地「グリーンタウン美住一番街」内に出店したセブンイレブン。URは全国各地に「団地特化型コンビニ」を出店させる計画

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 ゴールデンウィーク真っ只中の昼下がり、東京都東村山市のUR団地「美住一番街店」の一角に人だかりができていた。

 その中心にあったのは、コンビニエンスストアの「セブンイレブンJS美住一番街店」。

 都市再生機構(UR、旧・住宅都市整備公団)は、昨年から今年にかけてセブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップの大手コンビニ4社と団地の利便性向上に向けた連携協定を締結するとともに団地活性化のため新業態「団地特化型コンビニ」の運営を開始することを発表。

 4月21日に開業したセブンイレブンJS美住一番街店はその団地特化型コンビニの第1号店で、UR子会社の日本総合住生活(JS)がフランチャイズ運営する。

 取材をおこなった日は5月5日、こどもの日。わたあめや景品釣りなど、同店が開催した「プチ縁日」を目当てに子供を中心とする多くの団地住民が集まっており、高齢化が進む団地ゆえに「高齢者向けのコンビニ」を想像していた筆者は、思わぬところで店舗運営の懐の深さを垣間見ることとなった。

 さらに店内に一歩踏み入れると、そこには「団地特化型コンビニ」ならではの様々な“秘策”が隠されていることが分かった。

◆鍵の引き渡しや電球交換も!「生活拠点としてのコンビニ」

「団地特化型コンビニ」と一般的なコンビニとの違いは、売場づくりにも大きく表れている。

 店内に入って一番はじめに気付くのが、通常であれば雑誌や成人誌が陳列されている窓際が「日用品売場」となっていることだ。その取り扱い品目は通常のコンビニよりも多く、コンビニではあまり取り扱われていない6ロール入りトイレットペーパーやボトルタイプの大きな洗剤などといった容量の多い商品も数多く陳列されている。これは、「容量の多い商品ほど遠くのスーパーで買うと持ち帰りが大変」であるため、住民の利便性を考えた「団地ならでは」の商品構成だという。

 その奥にはスーパー顔負けの「安価と品揃えが自慢」という青果売場が設けられている。こういった野菜や果物も買い物の際には重くてかさばりやすく、団地住民のニーズを的確に捉えた売場展開・構成がなされていることが分かる。

 さらに、車椅子利用者や歩行が不自由な高齢の利用客が回遊しやすいように通路は広めに取られ、トイレも広々とした多目的式を採用。実際に、開店以来ほぼ毎日、車椅子利用者も来店しているという。

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 また、高齢者を中心とした「自分の足で店舗へ出向くことが難しい」団地住民に対しては、独自の宅配サービスも実施している。従来のセブンイレブン店舗でも行われている「セブンミール」は、食料品など500円以上の購入で送料が無料となる宅配サービスだが、高齢化が進み身体に不自由な住民も増えつつある住宅団地においては特段大きな効果を発揮するであろう。

 そして、一般のコンビニとの最も大きな違いとなるのが、コンビニが団地内の「住民サービスの窓口」としての役割も担っていることだ。団地管理を行っているJSのフランチャイズ運営であることを活かし、コンビニが「粗大ゴミ搬出手続き」や「鍵の引き渡し」、さらには「電球交換」などといった、生活支援サービスの提供拠点窓口としての機能も果たすという。

 もちろん、こうしたサービスに従事する「コンビニ店員」の一部は団地内に居住する住民であり、同店は団地住民の雇用創出にも一役買っている。

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 開店から2週間の「セブンイレブンJS美住一番街店」の客入りは上々だといい、開店以来よく店を利用しているという住民の一人は「オザム(団地外にある食品スーパー)はちょっと遠かったから、近くに出来てありがたいですね」と嬉しげ。開店して早速、「団地特化型コンビニ」は住民のハートをがっちりと掴んでいるようだった。