Photo by halii(写真はイメージです)

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 山本一郎(やまもといちろう)です。先日、香山リカ女史が自身への誹謗中傷や名誉棄損を繰り返していたとして、記者・ジャーナリストの石井孝明さんを提訴。そのまま和解となって、石井孝明さんが香山リカ女史への発言を謝罪しておられました。


ご本人にはブロックされているので他の方からのスクショ。2月20日に石井孝明氏を提訴し和解が成立しました。近日中に石井氏が謝罪文を公開なさるまでお知らせを控えるつもりでしたが、先方から先に発信がありました。

 もっとも、石井孝明さんがブロックしている香山リカ女史に私がブロックされているという複雑な関係もあります。なぜ私が香山リカ女史にブロックされているのか、理由が何だか良く分からないのですが、2年ほど前に香山リカ女史がやらかした件で私が彼女について書いた記事がこちらです。

 香山リカ女史の本とか読んでいると、普通にエッセイとして読む分にはあんまり違和感のない内容なのに、ネットや活動家としての暴れっぷりをみていると違和感しか感じないのがまた微妙なところであります。私も家内の知人が香山リカ女史のリアル元同僚だったりとか、そういう本当の彼女の人柄について話を聞く限り、そこまで変な御仁でもないと思うんですよ。

 ただ、お前が言うなと言われるかもしれませんけど、ウェブに見える人格とリアルの人物のギャップというのはかなりあると思っています。文字だけでやり取りする、そこから伝わる人物像というのは、どうしても断片的で一面的、限定的な情報しかありませんから、悪くとらえようとすれば幾らでも悪く感じ取るし、崇拝すればどこまでも、ってことはあり得るわけです。

■ネット上のルールにも変化が必要か

 その中では、ネットで長く棲息してきた有識者というのは、多かれ少なかれそういうレッテルを貼られたり、妙な物言い、思い込みをされることを前提にやっていかなければいけないことは承知しているからこそ長生きなのです。ネットは意外と新陳代謝があって、ずっとネットで頑張れている人は希少です。心が折れて活動が低迷する人もあれば、似たような主義主張の人と徒党を組まないと精神状態を維持できない人もいます。そういういろんな人がいてのネットだということで、しばらくは「まあ、ネットでのことですから」と笑って済ませることが多かったところが少しずつ変わってきたのかな、と感じます。

 とか何とかかいているうちに、今度は伊藤春香ことはあちゅう女史が法的措置をほのめかすような発言をツイートし、話題になっていました。

目に余る記事があったので法的対処を弁護士さんに相談しました。今後世の中はこういう流れになると思うけど、名誉棄損で罰金払うことになる人とか本当に恥ずかしいよな…。家族に「お父さんは会ったこともない人の悪口をネットに書いて訴えられたから貯金なくなったごめんね」とか言うの想像するとさ。

- はあちゅう (@ha_chu)

 みんな元気があってよろしいわけですね。その目に余る記事というのがどういう内容なのか私には分からないのですが、よほど腹に据えかねることがあったのでしょう。どうも世の中の流れは「ネットだからまあ許す」よりも「ネットも社会の一部と見て、線引きをしない」という対応が増えていくのでありましょうか。

 そう考えると、ネットがネットだけのルールでやってこれた時代の終わり、ということを少しずつ肌で感じる季節でして、その意味では香山リカ女史もやっぱ時代の先頭走ってるなーと思ったのでございます。

著者プロフィール


ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数

公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)

やまもと氏がホストを務めるオンラインサロン/デイリーニュースオンライン presents 世の中のミカタ総研