飲食店に入ろうとしていた客をダマして他店に連れて行った男が偽計業務妨害容疑で逮捕された。

 警視庁新宿署に摘発されたのは自称・飲食店従業員の木本翔歩容疑者(25)。4月20日午後9時半ごろ、新宿3丁目の繁華街で居酒屋チェーンの店に入ろうとした客にその店の従業員を装って「満席みたいです。系列店があるのでご案内します」とウソを言い、自分が契約する店に誘導した疑いだ。現場周辺では同様の手口で客を横取りされる被害が相次いでいた。

「連れて行ったのは居酒屋。木本はこの店から歩合込みで1万6000円を受け取り、ほかにもう一軒と客引きの契約をして稼いでいました」(捜査事情通)

 ジャーナリストの本折浩之氏によると、こうした詐欺店は個人経営が多く、キャッチバーのように法外な飲み代は請求しないが、巧妙にカネを吸い取るそうだ。

「料金を高くしているのです。1時間飲み放題1000円と言いながら、お通しや深夜料金などを各1000円とかに設定。つまみも値段が高いため、生ビール3杯と枝豆1皿で1人5000円以上になったりします。鍋料理を頼むとガスボンベ代として1000円加算される店もある。要するにプチボッタ。しかも店にはちゃんとした板前がいないため味は最悪。シケた店だから、ニセ従業員の客引きに頼るのです」

 ニセ従業員は小道具と演技で客をだます。大抵はA4サイズのラミネート加工したチラシを持ち、その中に有名店のチラシを混ぜてもっともらしく見せる。「系列店が空いているか聞いてみます」と携帯で問い合わせるフリをするのも彼らの手口。詐欺店に移動する際、客が逃げないよう1人1000円の前金を受け取ることもある。狙うのはチェーン店に入ろうとする客だ。

「今回、被害者が声をかけられたのは『ビックロビックカメラ新宿東口店』の近く。実はここは歌舞伎町よりもニセ従業員が多い地域です。彼らの特徴は私服で活動していること。チェーン店のロゴ入りTシャツを着ている従業員以外は信用してはいけません」(本折浩之氏)

 楽しく酒を飲むには用心が必要だ。