俳優・黄磊の初監督作品となった、中国版「家族はつらいよ」は家族をテーマにした映画。日本の巨匠・山田洋次の「家族はつらいよ」のリメイク版だ。

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俳優・黄磊の初監督作品となった、中国版「家族はつらいよ」は家族をテーマにした映画。日本の巨匠・山田洋次の「家族はつらいよ」のリメイク版だ。「家族はつらいよ」は、山田監督の2013年の作品「東京家族」と同じ家族のキャストで描いている。その「東京家族」は、巨匠・故小津安二郎監督の生誕110周年を祝って、「東京物語」をリメイクした映画だ。このように偉大な監督たちが関わってきた作品とあって、中国版「家族はつらいよ」には、原作の比較というプレッシャーが重くのしかかる。澎湃新聞網が報じた。

日本人の心を知り尽くしている山田監督は、庶民の生活を描く作品を得意としている。これまで、「男はつらいよ」、「幸福の黄色いハンカチ」、「遙かなる山の呼び声」、「たそがれ清兵衛」、「母べえ」などの作品を手掛け、「喜劇と言えば山田監督」、「庶民目線の映画の巨匠」などと称され、「日本人の心の代弁者」となっている。

山田監督は中国との縁も深く、2歳の時に両親と共に中国東北地方に移り住み、哈爾濱(ハルビン)や長春、大連などで少年時代を過ごした。そして、改革開放(1978年)後、山田監督は、交流のため中国を訪問した日本の映画人の第一陣の一人となった。

映画コンテンツや中国を熟知している山田監督は、黄磊がリメイク版のメガホンを握ったことに満足しており、脚本のチェックに関わり、北京のロケ地にも自ら足を運んで指導を行った。山田監督は、「日中両国の国民の生活はこれほど似ているのか」と感想を語り、中国の役者の演技も高く評価している。

【インタビュー】
▼「日中の国民の生活がこれほど似ているとは」
記者:黄磊は、「この作品を通して山田監督と師匠であり友人でもある関係を築いた」と言っていたが、山田監督は初めて監督を務めた彼をどのように評価しているのか?
山田監督:中国版「家族はつらいよ」のロケ地に足を運んだが、黄磊監督は非常に真剣に取り組んでいた。彼は撮影も制作も真剣にこなし、私はとても感心させられた。

記者:映画に出演した中国の役者の演技をどう評価しているか?
山田監督:どの役者も、監督の真摯な態度を反映していたと思う。みんな最高の演技をしていた。喜劇だからといって浮かれた態度で臨んでいる役者はいなかった。真剣な演技ほど、多くの笑いと涙を誘うものだ。中国版「家族はつらいよ」に出演した全ての役者に拍手を送りたい。

記者:今回、脚本の監修として、どんな作業に関わられたのか?中国版の脚本制作で、印象深かったことはあるか?
山田監督:脚本の初稿が完成した時、脚本家が日本に来て、3日かけて私と初めから最後まで意見を交わした。私も自分の意見を伝えた。印象深かったのは、日中両国の国民の生活はこれほど似ているのかと感じたこと。日本で大きな問題となっている「熟年離婚」が中国でも家庭内で起きる大きなトラブルの原因の一つになっていることにとても驚いた。

記者:同作品は山田監督がメガホンを握った「家族はつらいよ」のリメイク版。山田監督自身も「東京物語」のリメイク版を手掛けられたが、「リメイク」をどのように見ているか?
山田監督:小津監督の「東京物語」は、世界各国の監督から高く評価されている作品。私にとっても、黄磊監督にとっても、映画史上の傑作である「東京物語」から派生した作品「家族はつらいよ」を作ることができて、とても光栄に感じている。

▼笑い声の中で悲しい物語を描くのが喜劇
記者:山田監督は誰もが認める「ポスト小津安二郎」。このような評価についてどう感じているか?
山田監督:そのように評価されて本当に光栄に思う。しかし、私が若かった頃は、小津監督のような映画は絶対に作らないとずっと思っていた。ところが、年齢を重ねるにつれ、小津監督の映画の長所が少しずつ分かってきた。小津監督と黒澤明監督は私の師匠。そのため、「東京物語」のリメイク版を作れたのは本当に光栄なこと。