共謀罪の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案に関し、西日本新聞は16、17の両日、福岡市・天神の街頭で市民50人にアンケートした。賛成は29人で、うち19人が「テロ対策になるから」と回答。一方で21人が法案の内容を詳しく知らないまま賛成しており、依然、理解が進んでいない実態がうかがえた。

 回答したのは19〜77歳の男女50人。法案に対する賛否については、賛成29人、反対9人、「分からない」が12人だった。

 賛成の理由を聞くと、福岡県小郡市の大学生、亀井祐希さん(21)は「テロを未然に防げるならいい」。同様に「テロ対策になる」と挙げたのは29人中19人で、「組織犯罪対策になる」が3人、7人は「何となく賛成」だった。

 反対の理由は「冤罪(えんざい)が怖い」(男性、69歳)、「戦前のような監視社会に戻りそうで怖い」(女性、22歳)など。賛成の人からも、長崎市の会社員久保田晃一さん(49)のように「普段の生活が犯罪行為と警察に誤解される不安もある」との声が聞かれた。

 対象となる犯罪は277で、このうちテロに直接結びつくのは110。大半は暴力団やマフィアを念頭にした組織犯罪で、森林法違反など関連が薄い犯罪も含まれ、対象の絞り込みが論点の一つになってきた。こうした経過を踏まえ、アンケートで「対象犯罪が277あることを知っているか」と尋ねたところ、「知っている」は賛成、反対合わせて13人にとどまった。

 テロ対策を理由に賛成する人が多かった結果について、上智大の田島泰彦教授(メディア論)は「3度も廃案になって国民の印象が悪い共謀罪の議論を避けるため、政府が東京五輪を絡めてテロ対策を前面に打ち出したことが影響している」と分析する。

=2017/05/20付 西日本新聞朝刊=