アップルがピザ箱を再発明。新社屋Apple Park内カフェのチーフがデザイン協力、特許出願済み

アップルがまた革新的な製品を開発しました。といってもそれはバッテリーで動作するスマートデバイスではなく、アップルの新社屋"Apple Park"のようなデザインをしたピザボックス。そしてこれは社内のカフェで使うためのものだそう。

ケンタッキー・フライドチキンやマクドナルドなど海外ファストフード業界は近年、店内にある何の変哲もないものにIT技術を組み合わせた販促グッズで消費者の心を捉えています。中にはピザハットのようにピザボックスに工夫をこらすケースも。

アップルが開発したのはピザハットと同じくピザボックスでした。ただ、オマケ機能を追加したといった類のものではなく、ピザボックスそのもののに大きな改良(再発明?)を加えています。

ピザのデリバリーを頼んだことのある人なら、届いたピザが蒸れてしまって、クリスピーピザがちっともクリスピーじゃなくなっていた経験があるはず。アップルはその原因は箱にあると見極め、そうならないような工夫をこらしました。



上の写真を見れば一目瞭然ですが、改良点は伝統ある四角いピザボックスを円形に改めているところ。まるでアップルの新社屋のイメージをそのままピザ箱に反映させたかのような、形状になっています。

もちろんそれだけではなく、上蓋に穴をいくつか設けてザ上面に蒸散する水分を排出しつつも、冷めすぎて油分が凝固しないようにしています。もちろん材質は環境負荷の低い材質です。

底部には細いリング状の突起があり、この部分がピザ底面との間に空間をつくり生地からの蒸気を蓄えます。ピザを持ち上げれば蒸気は放出されるので、水分が生地に付着してベチャベチャになるのを防止する効果があるとのこと。

なお、この箱のデザインにはアップル新社屋のカフェでチーフを務めるFrancesco Longoni氏が携わっていたとのことで、2010年7月には特許出願もしています。

空腹時にありついたピザの味は格別ですが、ベチャベチャなピザを触ればついつい指先に油分が付着してしまします。そんな状態のまま何も気にせず周囲のテーブルや備品などをさわれば、脂ぎった指紋が付着してしまいます。もし会社の共有デスクでこれをやられると他の人がその机を避けてしまい、ややもすれば業務効率が低下しかねません。そういう意味でもこのピザ箱はアップルの技術開発に見えない恩恵をもたらすのかもしれません。

ちなみに、アップルは過去にはゴミ箱も再発明していました。アップル新社屋「Apple Park」は4月オープン、一般開放のカフェも併設。新シアター名「Steve Jobs Theater」
[Images : USPTO, Wired]