音楽界きってのガジェットマニアと称される☆Taku Takahashiが、アップルの話題をディープに語る連載。『AirPods』を使い始めたら、ガジェットの使い方が変わったという☆Taku。そこにちょっと先の未来が見えた?

前回、『AirPods』(☆1)を購入したという話をしましたが、それで少しiPhoneの使い方が変わりました。具体的には『Apple Watch』をより積極的に使うようになりました。耳に装着して声で命令できる『AirPods』と、腕にはめて目で見て、指で操作できる『Apple Watch 2』の組み合わせはかなり快適です。iPhoneをバッグの中に入れっぱなしということが増えたように思います。

☆1 AirPods



アップル初のワイヤレスイヤホン。ハウジング部分を指でダブルタップするとSiriが起動し、内蔵マイクで様々な操作が可能になる。音楽再生時の操作はもちろん、電話をかけたり、スケジュール確認、メールへの返信なども行える。現在も品薄状態が続いている。

この組み合わせの良いところは、ミーティング中などでも、メールの受信状況やスケジュールを確認できること。スマホを取り出すとちょっと感じが悪く見えるシーンでも、自然に最新状況を知ることができるのです。また、歩きながら電話をかけたい時にも、『AirPods』からSiriを呼び出せば歩きスマホになりません。

 

とは言え、Siriの日本語対応はまだまだ。言葉をきちんと認識してくれないことも多く、予想だにしなかった動作をしてしまうことがよくあります。「エイミーに電話」と言ったのに恵美さんに電話をかけようとしてしまったり(笑)。また、バイリンガルの人にとっては、英語モードと日本語モードを切り替えなければならないのがかなりストレス。将来的にはシームレスに動作するようになってほしい。そこからさらに、同時通訳的な使い方ができるようになることにも期待しています。2020年の東京オリンピックまでに実現すれば最高です。

そうそう、最新のmacOSで追加されたMac用のSiriですが、そもそもどう使えばいいのかから全くわかりません。アップルは、これに対して丁寧に提案する必要があるのではないでしょうか?

先日購入した『MacBook Pro』のTouch Barの右端にSiriボタン(☆2)があって、つい間違って押してしまうことが多く困っています。

☆2 TouchBar



新型『MacBook Pro』のキーボード上端部にはタッチ操作に対応した「TouchBar」が新設された。利用シーンに応じて表示と機能が変わるのだが、その右端には常にSiriを呼び出すボタンが鎮座。うっかり触れて意図せずSiriが起動してしまうという声もちらほら。

Siriと言えば、ライバルのAmazon製デジタルアシスタント「Alexa(アレクサ)」と、それを活用したリビング向けデバイス『Amazon Echo』(☆3)が話題になっています。Amazonプライムでも観られる海外ドラマ『MR・ROBOT』などでも、近未来の富裕家庭の風景としてそうした世界が描かれていますが、こうした一連の動きを見ていて強く思うのは、本来こういうのって日本が一番強かったのに……ということ。最近では、家電量販店に行っても、ダイソンやアイロボット、エレクトロラックスなど、海外メーカー製の家電を推されることが増えました。それも”デザイン”や”イメージ〞などではなく、”機能”の新しさでこっちが上だと薦められるのです。これは本当に残念なことだと思っています。

☆3 Amazon Echo



Amazonが米国で発売した、話題の家庭用デジタルアシスタント。見た目は筒状のスピーカーだが、内部に高精度マイクが搭載されており、ユーザーの音声に反応して様々な機能( 音楽再生、ニュース読み上げ、家電コントロール)を呼び出すことができる。

ただ、こうなってしまった理由には、その前の世代で日本製品が良いものを作って、それをしっかり普及させてしまったから、というのがあるのかもしれません。進化し過ぎたガラケーがスマホへの移行を阻害したのと同じことがいろいろな分野で起きているのでしょう。例えば、カーナビの普及がその一例。海外ではカーナビがさほど普及しなかったため、スマホとナビアプリ(☆4)への移行がスムーズに進み、今ではほとんどのドライバーがこの組み合わせを使っています。先日、僕もアメリカで体感したのですが、クラウドを使ったリアルタイムな渋滞速報や最新のランドマーク情報が得られるなど、とにかく便利でした。日本はここでも出遅れてしまっています。

☆4 スマホとナビアプリ



米国ではスマホアプリ(アップル純正「マップ」や「GoogleMaps」「Waze」など)を使ったカーナビゲーションが人気。地図をあらかじめ読み込んでおけば、電波が弱い場所でも快適に利用できる。取り締まり情報を共有できるアプリも。

家電やカーナビに留まらず、今後も、VRやAR、ホログラムなど、様々な新技術が現れ、世界規模の競争が巻き起こります。そこで日本が勝ち残っていけないのはなぜなのか、それをもっと真剣に考えてほしい。まだ、逆転のチャンスはあるのですから。

☆Taku Takahashi(m-flo,block.fm)/音楽家、DJ。1998年にVERBALとm-floを結成。個人では加藤ミリヤ、MINMIなどのプロデュースを務め、海外アーティストのリミックスも積極的に行なう。小栗旬主演ドラマ『信長協奏曲』に続き、現在放送中の『人は見た目が100パーセント』の劇伴を担当するなど、その活動は多岐に渡っている。自身が運営するダンスミュージック専門インターネットラジオ「block.fm」は開局5周年を迎え、音楽の新たなムーブメントを発信し続けている。

インタビュー・文/山下達也(ジアスワークス)

※『デジモノステーション』2017年4月号より抜粋

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