藤村岳の「男美均整のミナオシ」



「通常、男性がめったに触れないであろうコスメや身だしなみの最新情報や技術などを紹介し、日々の生活を新しい視点から見直せるようにしたい」という、男性美容研究家・藤村岳が、一流男子の所作や振る舞い、装いを身につけることの大切さを毎月綴る。

本稿が読まれるのは1月下旬以降ではあるが、年頭の号にあたり、今年のメンズコスメヒット予測をしてみたいと思う。まずは2016年を振り返ると、男性美容業界は順調に推移した。男性の美意識は確実に高まり、ケアをしていない、またはそんな意識を持たない男性は置いてけぼりを食うという構図に拍車が掛かったように思える。

しかも単に時代に遅れるだけではなく、不潔や悪臭は、特にビジネスシーンなどにおいても仕事ができないなどの烙印を押される風潮に。2017年は、男性間でも美容の意識がより高まるだろうと予想する。

 

そんな男性美容業界に関する今年の動きを知る上で、以下3つのトピックスを理解しておこう。

もはや隕石まで!有効成分ここに極まれり



トピックスの1つ目は「ラボ シリーズの”宇宙コスメの革新性”」。これは隕石/メテオライトから抽出した成分を配合した「マックス LS マクセレンス」シリーズが1月3日に伊勢丹新宿店メンズ館で限定発売されたことだ。同ブランド30周年の記念碑的コスメで、実は日本からのラブコールに応えて開発されたものだという。

 



ラボ シリーズ

マックス LS マクセレンス シンギュラー クリーム

3万4560円(50ml)



ラボ シリーズ

マックス LS マクセレンス デュアル コンセントレート

4万8600円(50ml)

この『隕石抽出物』とはマグネシウムやカルシウムなど細胞修復とコラーゲン産生に関わるミネラルを多量に含む成分。さらに『酵母エキス・マイクロ―グラヴ ファーメント』も配合。これは微重力環境で培養された酵母エキスのことだ。このエキスは生体外だと重力で2D化されてしまうが、”マイクロ―グラヴ(微重力)環境”で培養すると3D化できるとか。構造が生体内と同じなので、より美容効果が高まるのがうれしい。

 

使い方は2ステップ。美容液はプッシュすると白と黒の2液が出てくるので手のひらで混ぜて、塗る。その後、クリームでフタをするように肌に伸ばそう。そうすればその圧倒的な潤い感とハリ感の違いがわかるはずだ。

 

また、驚くべきはその価格。美容液とクリームで8万円超と、男性用化粧品としての最高峰に位置している。

 

もちろん女性用やユニセックスで使えるコスメには10万円を超えるものも珍しくない。が、男性でここまでの価格帯のものはかつてなかった。同ブランドが、今までそういうラグジュアリーコスメを使用していた男性をターゲットとし、狙い撃ちしようとしているのは間違いない。それほどまでに一部の男性の美容意識は高まり、今後もその層は拡大する。これは「ラボ シリーズは常に男性コスメのリーダーであり、他の追随を許さない」という確固たる信念の表れなのだと筆者は解釈している。

男性ホルモンに着目 更年期と向き合おう



2つ目のトピックスは「THREEのメンズラインに見るホルモンと更年期」。ここでは一部先行発売されていたが、THREEのメンズライン『ザ・ディフィニティブ』が、1月25日より全国で展開されることに注目したい。

 

元々、巧みな精油のブレンドとして知られる「THREE」は、女性のみならず男性ファンも多いブランドだ。だからこそ、THREEがあえて男性ラインを出してきたことは十分理解できる。

 

非常にストレスフルな現代において男性は女性ほどオン/オフの切り替えが上手くないとも言われる。見えない疲労の蓄積や様々な環境因子などがホルモンバランスに影響を与えている。男性ホルモンが低下して起きる更年期症状は女性の特有の症状ではなく、男性も当然当事者だ。イライラや焦燥、やる気の低下、性欲の減退など体にも心にもその症状は現れる。男性にはいわゆる特有と言われるような、更年期の始まりを示すような分かりやすいサインが存在せず、闇雲に苦しむだけという人が多い。

 

また、本ブランドの洗顔料のこだわりも半端なものではなく、70余種類のミネラルを含み、サプリメントとしても使われる、沖縄県の与那国島の”化石サンゴパウダー”まで入っている。さらに石川県で採れる火山岩・医王石は多孔質で汚れを吸着し、マイナスイオンまで発生させるのだとか。擦るのではなく、吸着させ、肌を柔らかくするのは従来の男性用洗顔料とは着想が異なる。

 

その他にも精油などによってニキビの元となるアクネ菌が抑えられている様子は下のグラフを見て欲しい。このように自然の力で肌と心に穏やかさをもたらしている。『ザ・ディフィニティブ』の目的は猝し瓩砲眥未犬襪箸い辰討皺畍世任呂覆い世蹐Α



THREE

ザ ディフィニティブ エマルジョン

7200円(100g)



THREE

ザ ディフィニティブ ローション

5400円(100ml)



THREE

ザ ディフィニティブ フォーム

4104円(80g)



▲ザ・ディフィニティブ・フォームによるアクネ菌の抗菌活性 ※THREE調べ

いよいよ男のメイクが市民権を得る!?



そして3つ目のトピックが「男性メイクの夜明け」。これは筆者の活動の次なるテーマとも重なってくる。スキンケアの重要性とその効果がある程度浸透してきた中で、次なる提言はメイクだと思っている。先日も美容業界向けの講演で、男性のメイクをいかにプロデュースしていくかというテーマで、90分間話しきってきた。

 

実はジワジワとその予兆が起きてきている。今まで男性がファンデーションを塗るというと、ホストなどいわゆる”お兄系”といわれる特殊な人たちが主であった。しかし、その状況は様変わりしており、いわゆる普通の学生やビジネスマンが肌の色を変えることに抵抗を感じなくなってきてる。

 

長らく男性の美容はシェービングや洗顔、脂取りなど引き算だと言われてきたが、色を塗る、眉毛を描く、まつ毛を盛るといった足し算的なアプローチが奇異ではなくなってきた。

 

とはいえ、これは非常に先鋭的で一部の都市的行動。まだ、スキンケアのように社会的に必要だと見なされているわけでもない。今年になった途端、街ゆくビジネスマンが昼休みにメイク直しをするのが当たり前なんてことはないだろう。

 

しかし、こっそりメイクを行っている男性達の意識は決して後ろ暗くなく、むしろ前向き。そのメリットを十分にわかっている男性が多くなったという変化は見逃せない。だからこそ、今後、男性のメイク需要は確実に高まっていくだろう。

 

我々現代の男性は疲弊している。その疲れは心と体に影響を与え、やがて弱さとなる。そんな弱さを受け入れ、適切に対策を講じることが今後の男性のあるべき姿であり、より幸福な未来をもたらすかもしれない。

文/藤村岳

※『デジモノステーション』2017年3月号より抜粋

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男性美容研究所 藤村岳danbiken.net

藤村岳/大学卒業後、編集者を経て独立。シェービングを中心に据えた独自の男性美容理論で、総合情報サイトAll Aboutの「メンズコスメ」ガイドなどとして活躍中。最新著書に『一流の男はなぜ爪を手入れするのか?』(宝島社)がある。