南極のマクマード基地近くで観測されたペンギン(2016年11月11日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】南極大陸(Antarctica)では地球温暖化の影響で、現代でこれまでにないほど植物が生育しているとの研究論文が18日、発表された。温暖化によって氷の融解が進み、南極の景色が白から緑に変わっているという。

 米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に掲載された論文によると、南極の約640キロに及ぶ地域でコケを調査している英エクセター大学(University of Exeter)などの科学者チームは、コケの群生地が過去50年間で急増していることを発見したという。

 植物は、南極大陸全体の約0.3%にしか存在していない。

 論文の共同執筆者で、エクセター大のマット・エイムズベリー(Matt Amesbury)氏は「南極半島(Antarctic peninsula)での過去約50年にわたる気温上昇は、この地域に生育するコケ群に劇的な影響を及ぼしている」と話す。

 南極半島で採取されたコケのコア(地中から採取した柱状の土壌サンプル)5個には、科学者らが「変化点」と呼ぶ、生物活動が明らかに増加した時期の痕跡が残されていた。

 論文によると、サンプルを採取した地域には、南極半島沖にあるエレファント島(Elephant Island)、アードリー島(Ardley Island)、グリーン島(Green Island)の3島が含まれていたが、ここでは最も深くて古いコケの群生が確認されたという。

 エイムズベリー氏は「今回の調査により、こうした変化が起きている規模をはるかに明確に把握できる」と説明する。

「これまでは、地球温暖化へのこのような反応は南極半島のはるか南方の1か所でのみ確認されていたにすぎなかったが、今回の研究で、コケ群が最近の気候変動に半島全体で反応していることが分かった」

 北極では地球の中で最も速いペースで温暖化が進んでいるが、南極もそれに引けを取っておらず、1950年代以降、10年ごとに気温が約0.5度上昇している。

 研究チームの一人、エクセター大のダン・チャーマン(Dan Charman)教授は「コケの生育にみられる過去の気温上昇への感受性は、未来の温暖化の下で生態系が急速に変化し、それによってこの象徴的な地域の動植物相と地勢に大きな変化がもたらされることを示唆している」と指摘する。

「つまり、北極圏の揺るぎない観測データに匹敵する緑化が南極で確認される可能性があるということだ」
【翻訳編集】AFPBB News