旭山動物園・「もうじゅう館」ユキヒョウの放飼場横にある階段

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旭山動物園に1998年に完成した「もうじゅう館」。ライオンやアムールトラ、ユキヒョウ、アムールヒョウ、黒いヒョウにエゾヒグマの計6種類の猛獣が暮らすこの施設、特徴は何といっても「どこからでも見られる」作りになっている点です。

【写真を見る】旭山動物園・「もうじゅう館」空中に張り出すオリ。ユキヒョウが頭上に!

地上観覧スペースから階段やスロープを使って2階部分に上がれば、放飼場の動物たちを上から見ることができますし、ユキヒョウやアムールヒョウは張り出したオリの下から観察することも可能!

猛獣のにおい、模様、毛の雰囲気、歯まで間近で感じられるのは楽しいですねぇ。ユキヒョウやアムールヒョウはもともと高いところを好む動物なので、高い位置で休んでいることが多いそうですよ。

2016年春に生まれたユキヒョウの子供・「リヒト」も、まだお母さんの「ジーマ」と一緒に展示されているので、2頭がくつろぐようすにも出会えます。ただ、「リヒト」はかなり大きくなっているのでお母さんと見分けがつかないかも……。

子供といえば、アムールトラの親子もいますよ! 同じく2016年春に生まれた「ソーン(オス)」と「ナージャ(メス)」も、お母さんの「ザリア」と一緒に暮らしています。

子供の見分けポイントですが、オスの子「ソーン」は母「ザリア」より一回り小さいくらい、メスの子「ナージャ」は一番小さいので分かりやすいかも。プールも設置されているので、水浴びしている姿も観察できるかも知れません。

そして、「もうじゅう館」を堪能するうえで重要なのが「展示スケジュール」! 午前と午後、もしくは日替わりで放飼場に出てくる個体が変わるんです。

ライオンの放飼場では、午前がアムールトラの「キリル」、午後はライオン(「ライラ」と「レイラ」)を展示。「キリル」は、「ソーン」と「ナージャ」のお父さんです。「キリル」は基本午前の展示となっており、隣りの放飼場にはメスの「ザリア」と2頭の子どもが展示されているのですが、気になるのか、隣りの様子がわかる網の方を歩いているそう。また、ライオンの「ライラ」と「レイラ」は「もうじゅう館」完成に合わせて来園したペアで、その後9頭の子供を生育、今はのんびりと過ごす老夫婦ペアです。

トラの放飼場では、午前にアムールトラの「ザリア」親子、午後にアムールトラの「のん」を展示。「のん」も、「もうじゅう館」の完成に合わせて来園。現在、アムールトラでは国内最高齢のおばあちゃんなんですよ。

アムールヒョウの放飼場では「キン」と「ルナ」のペアを展示しています。「キン」と「ルナ」は2017年1月から同居をしていて、5月時点で交尾も確認されています。もしかすると子供の誕生も!? なんて期待が膨らみますね。

「キン」と「ルナ」の放飼場の隣りでは、午前がアムールヒョウの「アテネ」(オス、「キン」の兄弟)、午後は黒変種のヒョウ「パック」を展示。「クロヒョウ」と呼ぶ方が馴染みがありますが、実際には「クロヒョウ」という種類はいないのだとか。ヒョウの劣性遺伝により生まれるそうで、黒い体ですがじっくり見るとヒョウ柄の斑紋があります。観察してみてください!

ちなみに、「アテネ」は隣りにユキヒョウの「ジーマ」親子がいるとき、とても気にしているようすで、よく母の「ジーマ」に威嚇されているそう。また、子の「リヒト」も隣りにいる「アテネ」が気になるらしく、檻ギリギリで観察しているようです。

また、ユキヒョウは1日おきの交替展示。日によって「ジーマ」親子だったり、お父さんの「ヤマト」だったりします。「ヤマト」は、やはり子の「リヒト」と比べるとどっしりとした風格。また夕方など、隣りのエゾシカの森をじーっと眺めてるときもあるのだとか。

展示スケジュールは旭山動物園の公式HPのほか園内各門に掲示、また園内中央にあるサポートセンターの方に聞いても教えてくれるので確認してみましょう。もちろん、「もうじゅう館」の各放飼場にも、どの個体が出ているか札が出ていますよ。ただ、天候や気温、動物の状態によりスケジュールどおりに展示されていないこともあるのでご注意を。

あ! エゾヒグマの「とんこ」は誰とも交替されないので、毎日いつでも会えますよ〜。

※写真提供:旭川市旭山動物園

【北海道ウォーカー/出村聖子】