市場化の進展に伴い、不動産市場が発展しつつあると伝えられる北朝鮮。

中国の週刊誌、三聯生活週刊の5月3日号は「朝鮮、この6年」と題して北朝鮮特集を組んだ。その中で、平壌のマンション価格がこの6年で67%上昇したと報じている。

記事は、平壌市内のマンション価格は2010年には1平米3000元(約4万9000円)だったが、2016年には5000元(約8万2000円)に達したとしている。

中国の首都、北京の西城区のマンション価格13万元(約214万円)には遥かに及ばないが、北朝鮮と国境を挟んで向かい合う遼寧省丹東の5100元(約8万4000円)や、吉林省延辺朝鮮族自治州の4700元(約7万7000円)とほぼ同じレベルだ。(いずれも城市房産調べ)

延辺大学東北アジア研究院の金強一院長は「(北朝鮮では)依然としてほとんどの国民が国に与えられた住宅に住んでいる」としつつも、「民間資本のマンションが雨後の竹の子のように建てられている」と指摘している。

また、「北朝鮮の市場経済の意識は中国の改革開放初期と比べて強く、市場化の程度も80年代の中国を既に超えている」とし、「もし北朝鮮が改革開放政策に転じれば、中国の改革開放初期より早く発展するだろう」と述べた。

不動産市場の好調ぶりは、様々な形で現れている。

米国の北朝鮮専門ニュースサイト、NKニュースは1月、咸鏡北道(ハムギョンブクト)羅先(ラソン)で建設予定のマンションに投資を誘致するためのパンフレットを入手。資本主義国並みの熱心な売り込みぶりが明らかになった。

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不動産市場の好況の裏には、自由市場で生み出されるマネーがある。

ソウル大学経済学科の教授で、朴槿恵政権で統一準備委員会経済分科の専門委員を務めたキム・ビョンヨン氏によると、北朝鮮のGDPのうちインフォーマルセクターが占める割合は約7割に達し、北朝鮮国民の多くが収入を市場に依存している。

また、市場の利用率は全国平均で78%、中朝国境沿いの都市では90%近くに達している。一方で、平壌市民の利用率は全国最低の55%にとどまっている。

さらに、農地全体のわずか3%に過ぎない個人耕作地が、市場に流通する農産物の70%を供給している。

しかし、北朝鮮の不動産市場が今後も順調に拡大するかは未知数だ。

当局は、金正恩党委員長の業績を内外に見せつける目的で、平壌市内に黎明(リョミョン)通りなどのタワーマンション団地を相次いで建設した。しかし、不動産市場のことを全く考慮していなかったため、マンション価格の暴落を招いている。

毎日新聞は昨年6月、関係筋の話を引用し、2015年末の時点で20万ドル(約2274万円)に達していた平壌市内の200平米の高層マンションの価格が、2016年に入り半値以下に暴落したと報じた。