音楽ストリーミングサービスSpotifyには、月額制の有料プランのほかに、広告付きで視聴できる無料プランが用意されています。Apple Musicも採り入れてはどうかという声もありますが、同サービスを率いるジミー・アイオヴィン氏は、無料プランの導入に反対する考えを示しています。

アーティストを守っていかなければいけない

ジミー・アイオヴィン氏は、アーティストとしても名を馳せているDr.Dre氏と同じく、Apple傘下に収まったBeatsの共同創立者です。現在アイオヴィン氏はApple Musicを手がけていますが、Beatsが買収されるはるか以前から、音楽ストリーミングサービスの重要性をAppleに訴えていた人物でもあります。
 
音楽ストリーミングサービスと言えば、「聞き流し」「無料」といったイメージを持つ消費者も多いかも知れません。しかし、アイオヴィン氏に言わせれば、それこそが音楽業界が現在抱えている主要な問題なのだそうです。
 
Music Business Worldwideのインタビューで、アイオヴィン氏は無料サービスの革新性は認めつつも、「無料」が台頭することによって、少なくないアーティストが音楽で稼げなくなっている状況に陥っていると指摘します。その結果、アーティストの本業が良い音楽を提供することではなく、プロモーションになっているというのです。
 
こうした問題を解決するため、アイオヴィン氏は「無料サービスはより困難に、あるいは制限されるべきであり、有料サービスはより良くなるべきだ」と語ります。「特別な気分になるためにお金を支払おうとする人たちに、持てる力すべてを注ぎ込まなければならない。そしてミュージシャンを(我々が)プロモートすべく盛り立てていかなければならないんだ」

無料なら4億人になっていただろう


 
アイオヴィン氏は「仮にApple Musicが無料プランを有していたなら、ユーザーは4億人になっていただろう」と、本来ならライバルのSpotifyは歯牙にもかけないと言わんばかりの様子です。もっとも、そうしていたら自分の仕事はとても楽勝だっただろうとしながらも、そんなつもりはない、だからこそ私はAppleに来たのだ、とも断言します。
 
もっとも、音楽業界が無料サービスの隆盛に飲み込まれていくのは間違っている、と力説する彼の青写真が現実になるかどうかは、Appleが提供するiPhoneなどのプラットフォームがどれだけ浸透するかにかかっているとも言えるでしょう。インタビューでは他にも、AppleではなくIntelと協力する未来もあった秘話(音楽についての方向性の違いで破談)などが明かされています。
 
 
Source:9to5Mac
(kihachi)