冷蔵庫に入れるべき?入れない方がいい? 野菜、果物、調味料

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執筆:永吉 峰子(管理栄養士)


これから夏場にかけては、食中毒が気になる時期ですね。

冷蔵庫は食品を一定の温度に保管できますが、実は“冷蔵庫にいれない方がいい”食品もあることはあまり知られていません。

今回は、特に迷いやすい野菜・果物・調味料の保管場所について解説いたします。

冷蔵庫に入れる?入れない? 〜野菜編〜

冷蔵庫に入れない方がよい野菜


・きゅうり
・かぼちゃ
・ピーマン
・なす
・ジャガイモ
・さつまいも
・里芋
・玉ねぎ

野菜は種類により原産地が異なります。

温かい地方が原産の野菜は元々温度が高いところで生息していたので、冷蔵庫に入れると温度が低すぎて品質が劣化することがあります。

これを低温障害と呼びます。

低温障害が起きやすい野菜は、冷蔵庫には入れず常温で保管するようにしましょう。

冷蔵庫に入れた方がよい野菜

上記以外の野菜は品質の劣化を防ぐ為、冷蔵庫で保管した方がよいとされています。

そしてその際に気をつけたいのは、密閉をするということです。

野菜は傷やカット面からエチレンガスというガスを発生させます。このガスは野菜の品質劣化を早めてしまうので、カット面はしっかりとラップなどで密閉しましょう。

また冷蔵庫の中は乾燥しているので、密閉することで野菜を乾燥から守ることもできます。

冷蔵庫に入れる?入れない? 〜果物編〜

冷蔵庫に入れない方がよい果物


・メロン

・みかん

・レモン(短期保存)

・グレープフルーツ(短期保存)

・オレンジ(短期保存)

・桃

・バナナ

・アボガド

・キウイ

・マンゴー

・ビワ


果物も野菜と同様、温かい地方原産のものは冷蔵保存すると低温障害を起こしてしまいます。

また果物の中には買ってきた後保存中に熟成が進み、美味しくなるものがあります。

この追加の熟成を「追熟」と言います。

追熟は常温で進むため、追熟が必要な果物を保存するときは常温で保存した方が美味しく食べることができます。


なお、果物は冷やすことで甘さを感じやすくなり、美味しく食べることができます。

冷蔵庫に入れる必要がない果物でも、食べる2〜3時間前に冷蔵庫に入れておくとよいでしょう。

この2〜3時間というのがポイントで、これ以上冷やすと低温障害を起こすので注意しましょう。

冷蔵庫に入れた方がよい果物


・いちご

・すいか

・オレンジ(長期保存)

・グレープフルーツ(長期保存)

・レモン(長期保存)

・りんご

・なし

・ブドウ

・ブルーベリー

・柿

・さくらんぼ

・いちじく


追熟が必要なく、低温障害を起こさない果物は冷蔵庫に保管することで品質を保つことができます。

果物も野菜同様、切り口や傷口からエチレンガスを発生させています。また乾燥すると味が落ちてしまいます。

冷蔵庫で果物を保管する時はしっかりと密閉するようにしましょう。

冷蔵庫に入れる?入れない? 〜調味料編〜

冷蔵庫に入れない方がよい調味料

・塩、砂糖


 
塩と砂糖は保存性がとてもよいので冷蔵庫に入れる必要はありません。

もし冷蔵庫に入れてしまうと、常温との温度差で袋の表面に水滴がついて湿気ってしまったり、他の食品の匂いが移ったりしてしまうので注意しましょう。

湿気に弱いので密閉できる容器での保管がおすすめです。

・本みりん、みりん風調味料(発酵調味料)、料理用清酒

みりんには種類があり、種類によって保存方法が異なるのでまずはパッケージの裏面をチェックする必要があります。

「本みりん」「みりん風調味料(発酵調味料)」と記載があるものはアルコール含有量が多く、保存性があります。

冷蔵庫に入れると中の成分が凍結してしまい風味が悪くなってしまいます。常温で保存するようにしましょう。

みりんと同様に料理酒にも種類があります。

その中「料理用清酒」と記載があるものは、アルコールによる保存性が高く、冷やすと成分が固まってしまいます。こちらも常温で保管するようにしましょう。

冷蔵庫に入れた方がよい調味料

・お酢、醤油、味噌

お酢や醤油、みりんは材料を発酵させてできた調味料です。

その為常温で保管すると発酵が進み、風味や味、色が悪くなってしまうことがあります。発酵がすすまないように冷蔵庫で保管しましょう。

・みりん風調味料(甘味調味料)、料理酒、めんつゆ

本みりんに塩や食塩を加えたみりん風調味料の中、アルコール含有量が少ないものが「みりん風調味料(甘味調味料)」です。

また、料理酒や酒に旨み成分などを加えたもので、めんつゆはだしや醤油、みりん、砂糖などを混ぜ合わせたものです。

このようないくつかの材料を混ぜ合わせてできた調味料は、雑菌が繁殖しやすい傾向にあります。必ず冷蔵庫に保管しましょう。

食品を美味しく安全に保管するには、どこで保管するのかはとても大切なポイントです。

この記事を参考に、ご自宅のキッチンを是非チェックしてみてくださいね。


<筆者プロフィール>
永吉 峰子(ながよし・みねこ)
管理栄養士。大手小売企業にて店長、商品開発を経験後、現在は「健康」「食」に関する執筆を中心に活動中