発売する血流持続型血管内視鏡(JIMROの発表資料より)

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 大塚ホールディングスの子会社であるJIMROは血流持続型血管内視鏡を19日より発売する。3MOSカメラとLED光源を採用、ハイビジョン画質での出力を可能とすることで、従来の製品に比べ鮮明な映像が得られる。医療機関へはインターテックメディカルズを通じて販売。同社は血管内視鏡分野での事業を新たに加え、医療機器事業の拡大を目指す。

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 血管内視鏡はカテーテルを通して狭心症や心筋梗塞の病態を観察、診断する目的で開発された。その後、光ファイバーの技術革新により微細で柔軟性ある血管内視鏡が登場。これにより生体での観察が困難とされた大動脈内部まで観察が可能となり、大動脈解離の未然防止に役立っている。また動脈硬化の初期段階も肉眼で観察できることから、将来への病気予防に貢献している。

 JIMROは大塚ホールディングス傘下、医療機器事業を統括する大塚メディカルデバイスの事業会社として、難治性疾患の治療に寄与する製品の研究・開発・販売を行っている。1990年には厚生労働省の承認を受け、白血球のなかの顆粒球を吸着除去する医療機器を販売させてきた。今回、血管内視鏡分野にも進出、将来へのリスク管理に期待の高まる分野にも事業領域を拡大する。

 内視鏡機器全体では、世界市場規模は順調に拡大。人口高齢化、医療施設数の増加、技術進化から市場全体が促進、一方で、内視鏡医不足や感染リスクなど克服すべき課題も残っている。日本は「ものづくり」のシェア低下が嘆かれるなか、内視鏡に関してはオリンパスの消化器内視鏡を始めとして大健闘している。以前はカメラメーカーとして輝いていた企業がその技術を生かして医療機器市場で存在感を発揮、なかでもソニーはオリンパスと新会社を設立、4K技術搭載の外科手術用内視鏡システムの販売を15年に開始した。

 様々な医師の評価を最終製品に反映する技術は日本企業の得意とするところである。病気を発見するための鮮明な画質を追求し、医師の細かな要求に応えてきたことが現在の日本の内視鏡シェアにつながっている。単純な高画質ではなく、状況に応じた微妙な色合いの再現などは世界でも依然差別化を図れる。今後も内視鏡を始めとした医療市場における日本企業の動きには目が離せない。