ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

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5勝2敗ながら防御率5.80、田中は復調できるか

 今季波に乗り切れないヤンキースの田中将大投手について球団首脳がその原因を突き止めたと米メディアが伝えている。ニュージャージ州最大のニュースサイト「nj.com」が「どうしたタナカ? ラリー・ロスチャイルドが問題特定」との見出しで特集している。

 今季メジャー4年目を迎えた右腕は開幕戦のレイズ戦で3回途中7失点と崩れて黒星発進となったが、以降、5連勝。5登板目のレッドソックス戦ではわずか97球の完封劇を演じるなど、特に4月後半は際立った投球を見せた。ただ一方で全体的には安定感を欠き、先発投手の評価の一つとなるクオリティースタート(6回以上を自責3以内)は8試合中4試合のみ。打線の援護を受けて5勝(2敗)を挙げているものの、防御率は5.80にまで悪化している。

 前回登板のアストロズ戦で2回途中8失点と炎上したことを受け、現地でも田中の問題点を分析する記事が相次ぐ中、「nj.com」は「タナカの直近の先発登板映像を見て、ロスチャイルド(投手コーチ)が問題を特定した」とレポート。記事の中で同投手コーチは「踏み出す足が開いてきて、腕が引っ張られて追いつかないことで、全ての投球アングルとプレートまでの到達速度が変わっている」と、不安定な投球の要因について語っている。

 記事によると、ロスチャイルド投手コーチは「(ここまでの登板は)上出来なものと、少し彼らしくないポンコツなものがそれぞれあった。日曜の夜(アストロズ戦)のようなものを何度も見たくはないね」とも語っている。

今季は中5日よりも中4日の方が好成績

 ただ、球団として問題を特定したことで首脳陣も今後については前向きに捉えているようだ。ジラルディ監督は記事の中で「ラリーはタナカとメカニックについて会話したから、問題を解決してくれるだろう」とコメント。ロスチャイルド投手コーチも同メディアの「憂鬱なシーズンの始まりかもしれないと憂う時だろうか?」との疑問に「うーん、その必要はない」と語り、「注目して判断してもらうとして、立ち直ったタナカはこれまでも素晴らしかったし、彼自身を修正させてアジャストさせようと陰で動いているからね」と語っている。

 また同メディアは登板間隔ごとに田中の成績を分析。昨季は中5日の防御率(2.41)が最もよかったのに対し、今季は中4日の方が数字がいいとレポートしている。確かに今季は中4日では2試合で2勝0敗、防御率3.38なのに対し、中5日では4試合で2勝1敗、防御率7.65。通算でも中4日の防御率(3.30)が最もいいというが、その点については球団側は問題視していないようだ。

 17日(日本時間18日)時点で23勝13敗の貯金10でア・リーグ東地区首位に立っているヤンキース。このままプレーオフに進むためにもエースの活躍は不可欠。昨季右肘への不安を吹き飛ばし、好成績を収めた右腕はここから復調できるか。その動向に球団やファン、現地メディアが熱視線を送っている。