健康効果もあるが大量に取れば毒にもなる

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米サウスカロライナ州で16歳の男子高校生がカフェインの過剰摂取によって死亡する事件が起きた。2017年5月16日(現地時間)付の米CNNは、直接の死因は不整脈による心停止だが引き金となったのがカフェインだったとする地元検死官のコメントを紹介しており、各国メディアでカフェインの危険性に注目が集まっているようだ。

日本でも2015年、日常的にエナジードリンクやカフェイン錠剤を服用していた20代男性が死亡する事例が起きている。

カフェラテ、炭酸飲料、エナジードリンク...

CNNによると、高校生は4月26日14時ごろに学校の教室内で急に倒れ、救急搬送されたものの15時40分に死亡したという。これまでに心臓の病気や発作を起こしたことはなく至って健康で、搬送時の検査でも薬物や毒物、アルコールは検出されなかった。疑問に感じた検死官が詳しく調査したところ、同級生らの証言から高校生がマクドナルドのカフェラテやLサイズの清涼飲料水「マウンテン・デュー」、エナジードリンクを2時間のうちに立て続けに飲んでいたとわかり、カフェインが心臓に悪影響を与えたと判断したという。

カフェインにはさまざまな健康効果があるとされているが、同時に毒性もある。日本中毒情報センターのカフェイン中毒情報によると、短時間で過剰摂取した場合の症状として軽症でも食欲不振や吐き気、おう吐、重症なら高血糖、低血圧、意識障害、けいれん、不整脈などが挙がっている。

エナジードリンクの銘柄や量がわかっておらず、高校生が摂取したカフェイン量は不明だが、英BBCは約470ミリグラムと推計している。前述のカフェイン中毒情報では、成人で中毒症状を起こすのは1グラム以上とされているが、それ未満でも発症例があり短時間に集中して摂取するのも危険とされている。今回の死亡例でも、検死官は「カフェインの量が問題なのではなく、短時間のうちにカフェイン入りの飲料を飲み続けていたことが問題だ」と指摘している。

健康に悪影響のないカフェイン摂取量は世界保健機構(WHO)などが発表しており、健康な成人で1日最大400ミリグラム、妊婦は200〜300ミリグラムとされている。また、米国小児科学会からは12〜18歳で85〜100ミリグラムという数値も出ている。国内では日本人のカフェイン摂取状況を元にした健康影響評価が実施されておらず、公的な基準値はない。2011年に食品安全員会が「食品中のカフェイン」というファクトシートの中で「リスクに関する情報を提供することが重要である」とし、あくまでも海外のリスク管理機関が提示している数値による参考値と断りつつ、「健康な成人400ミリグラム/日」「コーヒー マグカップ 3 杯(237 ミリリットル/杯)」という数値を提示している。

コーヒーを飲んだから中毒になるわけではない

カフェインの毒性には注意したいが、だからといってコーヒーを飲んでいけないわけではない。中毒情報センターは、コーヒーカップ1杯中のカフェイン量は50〜100ミリグラム程度で、

「コーヒー、紅茶、緑茶、ココアの飲用によりカフェイン中毒をきたすことはまれである」

とし、コーヒーやココアで中毒を起こすとすれば「体重1キロあたりインスタントコーヒー粉末500ミリグラム食べる」「体重1キロあたりココアの粉末を1グラム食べる」など、かなり極端な状況になるとしている。

ただし、エナジードリンクや栄養ドリンク、眠気覚まし飲料などにはコーヒーの倍近いカフェインが含まれるものもある。眠気を飛ばす前にカフェイン含有量も確認しておきたい。