Doctors Me(ドクターズミー)- おにぎりが原因…黄色ブドウ球菌による食中毒の症状と対策

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おにぎりなど直接手で調理したものを中心に広がる食中毒は、黄色ブドウ球菌が原因の1つとして挙げられます。

また、足にできた水虫のような症状も、実は黄色ブドウ球菌だったなんてこともあるそうです。

黄色ブドウ球菌の感染が広がらないために、どのような感染予防をしたらいいのでしょうか。詳しい解説を医師にしていただきました。

黄色ブドウ球菌とは


自然界に広く存在し、人間の皮膚や鼻の穴にも住み着いている細菌です。固まって増殖すると黄色く見え、顕微鏡で見るとブドウの粒のように丸く固まって見えることから名前が付きました。

人間の皮膚表面や毛穴、鼻の穴の中、腸の中にいる常在菌です。

黄色ブドウ球菌の一種でもあるMRSA


MRSAという言葉を聞き慣れない方も多いかもしれません。

メチシリンという抗生物質に対抗する力を持つ黄色ブドウ球菌で、病院の中で感染し体力の落ちた入院患者さんを死に至らしめるというイメージがあるかとおもいますが、健康な人にもMRSAは存在します。

MRSAといっても一種類ではなく、たちの良いものから悪いものまで様々ですし、同じMRSAでも病気の原因になるかはその人の体力・免疫力によります。

黄色ブドウ球菌の感染症状


黄色ブドウ球菌は健康な(免疫力が落ちていない)人の皮膚の上にいても病気を起こすことはありませんが、健康な人でも傷があれば増殖し、傷口を化膿させたり、皮膚が破れたところを介して体内深くに侵入し病気を引き起こします。

とびひ(伝染性膿痂疹)


傷口や虫刺されの跡に黄色ブドウ球菌が増殖し、皮膚がただれます。ただれた部分はかゆいので子供は引っ掻いてしまい、ますます黄色ブドウ球菌を広げてしまい、病変が飛び火する状態です。

抗生物質を内服したり、抗生物質の軟膏を塗った包帯を巻きます。

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)


鼻、のどなどで増殖した黄色ブドウ球菌が皮膚をはがれやすくするような毒素を出し、それが血液中に入って全身の皮膚に届き、口の周り・目の周り・首・脇・股間などこすれやすい部分に赤みや水ぶくれができ、脱皮するようにはがれます。

その後跡を残さず治ります。乳幼児の病気です。抗生物質を点滴し、皮膚を保護する治療を行います。

トキシックショック症候群


生理用品のタンポンの中で黄色ブドウ球菌が繁殖し、毒素を出し全身に回ったことで、熱・血圧低下・肝臓や腎臓など重要な臓器の不全が起こり、死亡するという事例がありました。

タンポン使用以外にもやけどや手術後の感染でも起こりますが、タンポンを取り扱う時には手を清潔にし、定期的に交換する必要があります。治療は抗生物質の投与と全身の管理です。

化膿性乳腺炎


授乳中に乳房に母乳が溜まり、乳首には母乳を出すための乳管が開きますが、乳首にできた傷や乳管から黄色ブドウ球菌などが入り込み、乳房の中で膿を作ります。

頻繁に授乳をしたりマッサージをすることで、菌を流し出し改善することもありますが、40度近い発熱を起こすこともあり、手術で膿を出すこともあります。

食中毒


黄色ブドウ球菌は塩分濃度の高い食品の中でも増殖できます。

また毒素を産生するため体内で増殖する時間を待たずに発症し、潜伏期間が短く、食べた直後に嘔吐が現れることもあります。発病率も高く、同じ食品を食べた人に集団発症することがあります。

せつ、よう


いわゆる膿んだおできです。毛穴の根本に黄色ブドウ球菌が感染し、膿を持ちます。

自然につぶれて治ることもありますが、細菌が血中に入り、熱が出ることもあります。局所麻酔をして切って膿を出したり、抗生物質の内服や点滴をします。

黄色ブドウ球菌感染に留意したおにぎりの握り方


おにぎりを素手で握ると、手に付いている黄色ブドウ球菌をがおにぎりに付着し、増殖します。特に傷のある手や鼻を触った手で握ると危険が増えます。

下記の点に留意して作りましょう。

・しゃもじや弁当箱を洗浄消毒し、素手を触れないようにラップに包んで握ります。

・ラップの表面を手で触れないよう注意します。

・調理から食べるまでの時間を短くし、10度以下で保存することで菌の増殖を減らします。

・酢や食塩、梅干しを使用するのも感染対策にはなりますが、完全ではありませんので、やはり素手で扱わないことが最も重要です。

(参照:東京都福祉保健局 食品衛生の窓)

">黄色ブドウ球菌の感染予防対策

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黄色ブドウ球菌はどこにでもいる菌のためゼロにすることはできませんが、少しでも菌がいれば病気につながるというわけではありません。

">食中毒の予防方法

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・食品を素手で触らない
・加熱するなどで菌を少なくすること
・菌が増殖する時間を与えずにすぐ食べること
・食品は冷蔵すること

薬の効かない黄色ブドウ球菌


抗生物質の乱用により薬が効かない黄色ブドウ球菌が増えています。ウイルス性の風邪など、必要のない場面で抗生物質を使用するのを避けることで、体内に薬剤耐性のある黄色ブドウ球菌が増えることを防ぐことができます。

最後に医師から一言


病院で勤務する人や長時間病院で過ごす人はMRSAを保菌する可能性が高く、それを抵抗力の低い人に付けてしまうと病気の原因になり得ることを自覚する必要があります。

(監修:Doctors Me 医師)