親日家としても知られるジェイソン・ブラウン【写真:Getty Images】

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故障、病気、不祥事…カムバックしたスケーターを特集「暗黒から復活果たした」

 華麗なる銀盤の戦いが幕を閉じたフィギュアスケートの2016-17年シーズン。日本にとっては羽生結弦(ANA)が世界選手権でフリー歴代最高得点をマークして3年ぶりに世界王者に輝き、世界国別対抗戦ではチームで3大会ぶりの優勝を果たすなど、充実したシーズンとなった。一方、世界のフィギュア界においては「カムバックの1年」だったと海外メディアが総括している。

「2016-17年シーズンはフィギュアスケート界におけるカムバックの1年と言えるものだっただろう」と特集したのは、米スケート専門メディア「アイスネットワーク」だ。

 記事では、10年バンクーバー五輪金メダルで世界選手権を5年ぶりに制したアイスダンスのテッサ・ヴァーチュ、スコット・モイア組(カナダ)の活躍、14年ソチ五輪銅メダルで不祥事による出場停止処分から3シーズンぶりに帰ってきた女子シングルのカロリーナ・コストナー(イタリア)の輝かしい復帰、ジュニア年代から活躍してきた隋文静、韓聰組(中国)はトップへ急上昇したことを紹介した。

 これを受け、14年ソチ五輪のアイスダンス金メダルのメリル・デイヴィスは「なぜ復帰するのか、そう自問自答しなければいけない。私にとって一番重要に感じるのはその点。今季、素晴らしいカムバックが多々見受けられました。特にアイスダンス、テッサとスコットね。彼らのカムバックが何を引き起こすのか、私たちには定かではない部分もあった。しかし、彼らの競技に対しての愛を目の当たりにしたわ。彼らが氷上に立てば、喜びを感じられる。彼らがどれほどの情熱を傾けているのか、それを示すものだった」とコメントしたことを伝えた。

 さらに、故障による手術から復帰した今季、フリーで4回転3本を取り入れた男子シングルのネイサン・チェン(米国)については「かつて我々が可能とは思えなかったことを実現させた」、胃腸の疾患から複数手術を受けながらリンクに舞い戻ったアレクサ・シメカ・クニエリム、クリス・クニエリム組(米国)は「暗闇の時間から復活を果たした」と記述している。

存在感を示すシーズンとなった元全米王者…それぞれの「カムバック」にドラマ

「彼らは皆、それぞれカムバックを具現化し、話題を集めた」と振り返った記事のメイン写真で取り上げられた一人が、ジェイソン・ブラウン(米国)だ。

 11年にジュニアグランプリを制すなど10代から活躍してきたブラウンは22歳を迎えた今季、USインターナショナルクラシックで日本の無良崇人(洋菓子のヒロタ)らを抑えて優勝、全米選手権では優勝した15年以来、2年ぶりに表彰台(3位)を果たすなど、存在感を示した1年となった。

 派手なジャンプだけでなく、美しい演技で知られる元全米王者は大の親日家としても有名。国別対抗戦で来日した際には日本メディアに対し、将来は日本で英語の先生になることが夢と明かしていた。大会後には自身のツイッターで「この2つのプログラムは、これでおしまい。とっても悲し〜い!でも、今年のプログラム最後の演技が日本で滑れて良かった!!!」と日本語で投稿。愛着を示しつつ、優勝した日本チームへの祝福も送っていたことが話題となった。

 記事では、こうした選手たちが躍進を見せたことについて、フィギュアスケーターたちと関わりがあるスポーツサイコロジストのキャロライン・シルビー氏による「競技へ復帰するアスリートたちにとって、一番の挑戦事項とは、ハイレベルに戻れるかという懸念と付き合っていかなければいけないことです。これまでのスケートのレベルに戻れるのか、心配になるものです」とのコメントを紹介している。

 故障、病気からの復活、あるいはジュニア年代からしていた選手の躍進、それぞれの「カムバック」にドラマがあった。果たして、平昌五輪が控える来季、世界のスケーターたちはどんなドラマで氷上を彩ってくれるだろうか。