本に囲まれながら一夜を過ごせるとあって、旅行客はもちろん、東京近郊に住む本好きたちもわざわざ泊まりにくる、池袋の「BOOK AND BED TOKYO」

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近郊在住のお客も
わざわざ泊まりにくる

 水族館や動物園のお泊まりツアーが人気を集めている。生き物たちと夜を過ごすという非日常体験が、それだけウケけているということだ。そして書店でのお泊まりイベントも、開催のたびに応募が殺到する状況だ。この流れを受けて、「本に囲まれて泊まれる」ことを売りにした宿泊施設が、日本各地でオープンしている。

 本好きの端くれであれば、出張や旅行にお気に入りの本を鞄に入れて、行き帰りの列車や宿でページを繰るひとときに至福を味わった経験があることだろう。そうした持参型の読書体験と、ブックホステルならではの宿泊体験はどこがどう違うのか? 施設を訪ね、経営者に取材をして考えてみた。

 このジャンルの草分けとなったのが、2015年11月に東京・池袋にオープンした「BOOK AND BED TOKYO」だ。開店から1年半ほどを経た現在でも人気が衰えるどころか、16年12月には京都の鴨川沿いに、17年4月末には福岡パルコ内に系列店を続々オープンさせる活況ぶりで、筆者も春先の金曜日に東京店を訪れてみたが、夕刻とあってかなりの盛況で、キャリーバッグ片手の女性客や、外国人旅行客が目についた。

 これはひと言でいえば、書棚に囲まれた本屋さんのような環境で宿泊できることを売りにしたドミトリー型の宿泊施設で、押し入れタイプや本棚一体型のカーテンで仕切る個室ベッドが用意され、後者なら平日3500円、休前日でも4500円(いずれも税別)という比較的リーズナブルな価格設定になっている。

 共同のシャワールームに無料Wi-Fi、オーブンレンジに湯沸かしポットなどもあり、都心に安く泊まりたいというニーズから見ても競争力はそこそこあるが、単なる安宿との決定的な違いは、閉店後の本屋さんを思わせる独特なムードの空間で本に囲まれる夜を過ごせることだ。

 書棚に3200冊の本が並んでいるほか(ぱっと見で洋書はその10分の1ほど)、壁際や窓側の長椅子の色合い、店内照明などにも意匠が凝らされ、本好き同士がリラックスして読書談義で静かに盛り上がれるエクスクルーシブな空間となっている。

 それもあってか、同店が公開している利用者動向は、多くの点で先入観をくつがえすものだった。まず男性3割に対して女性が7割を占めているほか、日本人・外国人旅行客の各33%に対して、都内近郊からの利用者も29%と、かなりの比率になっているのだ。これは宿泊の必要のない人がわざわざ泊まっているということであり、しかもその多くを女性が占めていることから、宿泊ニーズの掘り起こしという点でも興味深い。

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