中国には啃老族(こうろうぞく)と呼ばれる人びとが存在する。親(老)をかじる(啃)若者たち、つまり、「親のすねをかじる人」の意味であり、日本語で言えば「ニート」と同義の言葉だ。中国では23歳から30歳までの若者たちのうち、生計を立てる能力があるにも関わらず、親に養ってもらい生活する人を指す。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国には啃老族(こうろうぞく)と呼ばれる人びとが存在する。親(老)をかじる(啃)若者たち、つまり、「親のすねをかじる人」の意味であり、日本語で言えば「ニート」と同義の言葉だ。中国では23歳から30歳までの若者たちのうち、生計を立てる能力があるにも関わらず、親に養ってもらい生活する人を指す。

 中国では啃老族が増えていると指摘されており、高齢化社会となりつつある中国において増加する啃老族は人口問題を深刻化させる要因の1つといわれている。従って、子どもの独立心を育てることは中国の一般家庭のみならず、社会全体の重要な課題だと言えるだろう。

 では、中国の家庭はどのようにすれば子どもの独立心を育てることができるだろうか。中国メディアの今日頭条は13日付で、「子どもがスタートラインで負けないためには、日本人の方法に見倣うべき」と説明する記事を掲載した。

 記事は絵本作家である林明子さんが絵を担当した、筒井頼子さんとの共同作品「はじめてのおつかい」を紹介している。これは5歳の女の子がはじめてのおつかいとして、1人で牛乳を買いに行く姿を描いた作品だが、子に独立心を培わせることを重視している日本の親たちの考え方を反映した作品であるという見方を示した。

 また、この作品の主人公である5歳の女の子は、初めてのおつかいの中で様々なことに挑戦し、それを克服することで、結果として達成感を味わう様子が描かれていると指摘。中国の親たちは子を過度に甘やかすのではなく、むしろ子どもたちの内面に存在する「自立したい」という自然な欲求を伸ばすことが重要であると論じた。

 長期間にわたって大きく変化することのない日本の物価とは異なり、中国の物価は上昇を続けている。インフレは物価に対して相対的に貨幣価値が低下することを意味するため、中国では「働き盛りのときに貯めたお金の価値が、退職後に大きく低下してしまうのではないか」と懸念する人は多い。そのため自分が育てた子どもが老後の面倒を見てくれることを期待するわけだが、自分の子が啃老族ならこのような願いも空しいものとなってしまう。中国の親にとって、子を独立心のある大人に成長させることは自分の老後にも関係する重要な課題なのだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)