沢尻エリカ主演ドラマ「母になる」つらい!つらすぎる…その理由は

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 沢尻エリカ主演の「母になる」(日本テレビ系)は、開始前から注目されていたドラマの一つです。

 3歳の息子が誘拐事件に巻き込まれ行方不明に。そして幸せだった一家は壊れてしまっていた。空虚な9年間を過ごしてきた結衣(沢尻)に、児童福祉司の木野(Hey! Say! JUMP 中島裕翔)から連絡が入る。「息子が生きていた」と。9年の空白を埋めて、家族は再生することができるのか?

 このドラマは「誘拐された側」「誘拐された本人」「育てた側」と、色んな立場の想いを丁寧に描いているため、そんな経験はしてこなかった人でも、どの登場人物に対しても共感や同情が芽生えてきます。しかも、全員、演技が上手すぎて、観ていて心が痛くなってきてしまうのです。

 まだドラマは中盤ですが、誰の立場が一番しんどいかを勝手にチョイスしてみました。

◆「誘拐された側」柏崎夫妻(沢尻エリカ/藤木直人)

 第1話の大半を2人の出会いから息子が生まれてから誘拐されるまでを描いていたため、ほぼ視聴者はこの夫婦に感情移入してしまうでしょう。

 ある日、幼稚園の帰り道、結衣(沢尻)が一瞬目を離した瞬間に、息子が姿を消してしまいます。必死で探す中、陽一(藤木)の元に犯人からの電話が…犯人は大学の准教授である陽一の生徒。逆恨みからの犯行でした。

 犯人である生徒は自殺し、そのまま手がかりも分からないまま、捜査もむなしく息子は見つかりません。

 一瞬の隙をつかれた妻、一方的とはいえ自身の生徒によって夫が原因で起こった誘拐事件、息子が生きているのかどうかすら分からない状況。お互いが罪の意識があったのでしょう、夫婦の関係も次第に壊れてしまいます。
 9年の歳月が過ぎたある日、児童保護施設に息子の広がいるという連絡が入ります。結衣はすぐさま駆けつけ、13歳に成長した広(関西ジャニーズJr. 道枝駿佑)を抱きしめます。

 親子として再び一緒に暮らすため、別れた陽一とも、もう一度やり直しますが、広にはこの9年間で「ママ」と慕う育ての親・麻子(小池栄子)がいることが発覚。結衣の知らない9年間は埋まるのでしょうか? そして、息子が心から「母」として慕う日が来るのでしょうか?

◆「誘拐された本人」広(関西ジャニーズJr. 道枝駿佑)

 3歳の頃に誘拐されてしまった広。知らない部屋で泣いているところを隣の部屋の住人だった門倉麻子(小池栄子)に出会います。

 それからは麻子のことを「ママ」と呼び、親子として暮らします。そして、2年前に彼を児童福士施設に預けて、麻子は消えてしまいます。子どもの立場からしてみると、人生で2度、母親と離れてしまうわけですから、寂しさは計り知れません。

 ある日、彼にとっては知らない女の人である結衣が「母親」と名乗って会いにきますが、実は広は、このことを麻子からの手紙で予想していました。手紙に書かれていたのは、その女の人を「お母さん」と呼ぶこと、何を出されても「おいしい」と言って食べること…。

 13歳という多感な時期であり、また、施設にいたことで一般的な「母親」がどういうものかを知らずに育つという、複雑な役の「外面」と「内面」を道枝駿佑が見事に演じていて、自分はそんな立場の人間ではありませんが、観ていてとても胸が痛くなります。

◆「育てた側」門倉麻子(小池栄子)
 9年前、アパートの隣室で置き去りになって泣いている広を見つけます。当初、虐待されて置き去りになった子どもかと思い、放っておけずに手を差し伸べます。警察に届けずに息子として育ててしまいますが、2年前のある事件をきっかけに広の目の前からいなくなることを告げ、保護施設に預けました。

 元々愛情は人一倍あったのでしょう、広と過ごす7年で、更にそれが強くなったことも分かります。一度は「本当の母親」である結衣の元へ広を送り出すように、冷たく突き放しますが…。

 よく、ドラマなどでは「血のつながりがなくとも…」みたいな感動的な展開があったりしますが、このドラマでは、血のつながり以上の”繋がり”をどう見せてくれるでしょうか。最初の頃こそは、手紙の一件で、「嫌な人」みたいな印象を持つ人が多かったかもしれませんが、麻子のバックボーンが明らかになるにつれ、必ずしも悪ではない人なのが観ていて辛くなるかもしれません。

 毎週楽しみにしていたこのドラマですが、中盤の今、「楽しみ」というより「辛い」感覚の方が強くなりました。だって、みんな演技上手なんですもの…。

 今では「母になる」を後回しにして、週の半ばの水曜日は「水曜日のダウンタウン」で、新しい説に腹抱えて笑っている…その方が、私には向いているようです。

<TEXT/タケダマコ>