ベトナムのホーチミン市にある、フランス植民地時代に作られたホーチミン人民委員会庁舎の隣を車やバイクで走り去る人々(2017年2月21日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】英作家グレアム・グリーン(Graham Greene)の著作「おとなしいアメリカ人(The Quiet American)」の魅力的な背景となったベトナム・サイゴン(Saigon、現ホーチミン)の街並み。フランス植民地時代の風景を色濃く残すその街並みが今、急速に消え去ろうとしている。

 会社員のチャン・チョン・ブー(Tran Trong Vu)さんは、植民地時代の建物が次々と新しい建物に建て替えられていくのを見てショックを隠せない。

「古い建物には文化的価値がある。むやみに高層ビルに建て替えるべきではないのに」

 また、このままではフランス植民地時代の建築に代表されるホーチミン市(Ho Chi Minh City)ならではの良さがなくなり、他のアジア都市と見分けがつかなくなってしまうと危惧する人もいる。

「1960年代から1970年代にかけてのホーチミン市は、まさにフランスのような都市だった。しかし今ではまるで米国。どこに行ってもマクドナルドがある」。ホーチミン市に生まれ、建築史についての著作を持つヒエップ・グエン(Hiep Nguyen)さんはこう話した。

「物語のない街並みには、何の価値もないんだ」
【翻訳編集】AFPBB News