ユニクロはファッション界の「宏池会」だ

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■“大宏池会”と“大ユニクロ”の共通点

オヤジのファッションを語る上で、外せないのがユニクロです。最近は、若者向けでも『ほぼユニクロで男のオシャレはうまくいく』と謳う本も出ており、やはりユニクロはイケるんじゃないかと、再認識しております。捉え方としては、いろいろ他ブランドに浮気をしたけど、最終的には戻ってくるブランドじゃないでしょうか。特にベーシック部門において、ユニクロは外せないマストアイテムです。これをオヤジらしく政治の世界にたとえるなら、保守本流の宏池会(こうちかい)ではないか、そう思えてなりません。

宏池会とは、自民党の名門派閥のひとつで、池田勇人を祖に大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一など総理総裁を多数輩出しています。ところが現在、少数の派閥に分派中です。将来的には、ポスト安倍を睨んだ形での大宏池会構想(麻生氏、谷垣氏、岸田氏などの結集)が持ち上がっているとの報道もあります。

ユニクロを運営するファーストリテイリングも、廉価ブランドであるGUのほか、外国ブランドのセオリーやコントワー・デ・コトニエ、さらには「mina(ミーナ)」というショッピングモールを傘下にしており、「大ユニクロ」を構想中? と、似てなくもないのです。

■バブル衣装はタンスのこやしに

「オヤジはお金がないから、ユニクロしか買えない」と思っているのかもしれませんが、本気を出せば、もっと衣服代に投資できます。何せ過去のファッション体験は、すさまじいものがありますから。オヤジ世代は80〜90年代からDCブランドの洗礼を受け、丸井ヤング館詣では、毎度のこと。勢い余ってヨージ・ヤマモトやコム・デ・ギャルソンのカラス服にも進出しました。1着2〜3万円のシャツとか、誰が買うんだと憤りつつも、実は欲しかったのです。似たような名前のコムサデモードで我慢したことも、しばしばありますけど。

そしてバブル全盛期、個人的経験ですが、海外有名ブランドを、清水の舞台から飛び降りる覚悟で買いました。シンガポールでベルサーチのスーツを30万円で購入。これでセレブ入りと思いましたが、冷静に考えると、フリーランスですから、スーツを着る機会なんて滅多にないのです。でも「一生もの」だからと、自分を無理やり納得させたはいいが、ウエストがぶくぶく太り、結局3回しか着ないで、タンスのこやしになりました。1回の着用が10万円かよ〜、だったら貸し衣装で、いいじゃないですか。

そんなブランド洗礼を受けて、20〜30代を過ごし、やがて結婚し、子育ても楽になり、ひと段落する時期が来ました。100%ピュアなオヤジになって、ユニクロを覗いてみたら、欲しいものだらけで驚きです。しかもベルサーチの100分の1の値段って、なんなの? バブル時代と比較すると、ファッション界は、デノミが起きているのかも知れません。

ユニクロを着ることに対して、追い風が吹いたのは、新垣結衣と佐々木希のCM出演です。これで若い女性からも、ユニクロはダサくないという、お墨付きをもらったようです。

特に貢献度が大きいのは、佐々木希のワイヤレスブラの宣伝です。CMでどっきり背中を見せられて、オヤジはメロメロになりました。六本木のミッドタウンのユニクロには、センターにど〜んと佐々木希のブラ姿のポスターが貼ってあるし。案外、佐々木希を見たさに、オヤジが来たりして。そういう効果も期待できます。

■「ZARA」×「ユニクロ」が重宝

さてユニクロをベースに、ほかのブランドを物色するとしましょう。必ず出て来るのがGAPとエディー・バウアーです。どちらもアメリカンカジュアルで、色合いは地味、ユニクロと似てなくもないです。何がいいかって、この3ブランドは、パンツのウエストが、ゆったりしているのです。ウエスト90センチぐらいまでのパンツを、各ブランドで取り揃えています。中性脂肪満載で、お腹が出ているオヤジにとっては、非常に都合がいいです。特にユニクロのパンツは、店舗では91センチぐらいまでですが、オンラインショップでは120センチまで販売しています。これはデブヤ系の方々にも朗報です。

下半身のパンツ部門はいいといして、上半身にもう少し色みを加えたい、そう思うオヤジが頼るブランドが、ZARAとH&Mです。

ZARAは、スペインが誇るナショナルブランドで、オーナーは世界の富豪にランクインしています。ZARAは10年以上前から頻繁に通ってました。場所によってはフォーマルな、ジャケット系を重点的に置いているケースもあるので、個人的にはカジュアル系が多い、渋谷店をよく使います。ちょっと派手な色彩のシャツやカーディガン、ジャンパーなどがお気に入りですね。これがユニクロのパンツに、よく合うんですわ。ただ値段がファストファッションにしては、やや高めが難でしょうか。

さらにZARAより、お値ごろなのがH&Mです。こちらは色がカラフルなのと、値段がユニクロ並みで、重宝しています。けど縫製が甘い場合もあります。まあ値段も安いので、仕方ないです。2シーズンぐらい着れれば、良い選択ではないでしょうか。

そして最後、オヤジが行きたいけど、怖くて行けないブランドがアバクロ(アバクロンビー&フィッチ)です。これは入り口に、イケメン外国人が立っていて、ビビって入れません。キムタク御用達らしいですが、スマップも解散したし、まあいいかと、自分に言い訳して、購入していませんね。

というわけで、ユニクロをベースに、ファストファッションでコーディネイトすると、なかなか充実したオサレ生活ができます。

■夏が来る、ステテコが来る

今から夏がやって来ますが、そこで活躍するのが、ユニクロのステテコです。これがカラフルで実にいい。松本清張原作のドラマ「黒革の手帖」(2004年、テレビ版)じゃ、釈由美子扮するホステスの波子が、楢林クリニック院長(小林念侍)と関係を持とうと、猛アタックをします。波子が楢林のズボンをやや強引に降ろそうとする、そのとき、楢林院長のステテコ姿がチラリと見えます。これが哀愁を帯びて、実に味わいのです。やっぱ男はステテコですよ。ちなみにユニクロは、ド派手なデザインが多いので、哀愁より愛欲が増すかも。ますます結構ですね。

加えてハーフパンツ類が、大量に出回るのもこの頃です。サイズが大雑把にS、M、Lでウエストも緩め。デブになって来たオヤジには、願ってもないアイテムです。

どうです、ユニクロに飽きても、兄弟ブランドのGUもあるし、値段はこっちの方がお値ごろだし。気づけば今年の夏も、ユニクロファミリーの世話になっている構図が見えますね。というわけで、今年は是非、勝負ステテコで、失われた青春を取り戻そうじゃありませんか? あくまで妄想ですけどね。

(コラムニスト 木村 和久)