78歳の今もなお現役!カリスマ女社長、シーラ・ネヴィンス

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 ロック界のカリスマ、カート・コバーンの人物像を描いた映画『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』や、スノーデン事件のてん末を描いた映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』などの秀作ドキュメンタリー映画を手掛けた、HBOドキュメンタリー・フィルムズの社長シーラ・ネヴィンスが、自叙伝「You Don’t Look Your Age」と人生を捧げてきたドキュメンタリー映画の今後について語った。

 1979年から米ケーブルチャンネルHBOドキュメンタリー部門のプログラムに携わり、その後2004年からHBOドキュメンタリー・フィルムズの社長を務めているシーラ。彼女がこれまでに関わったドキュメンタリー作品は500にものぼり、エミー賞やアカデミー賞にも多数ノミネート・受賞しており、エンターテインメント業界の女性経営者としてはパイオニア的な存在だ。

 さまざまな人々の人生をドキュメンタリー映画で伝える一方で、自身の人生に関して世間には公表してこなかったシーラだが、自叙伝を執筆した理由を問われると「これまでわたしは、男性社会の中で仕事を続けたくて、子供が病気だから病院に連れて行くとか、更年期障害で上司の前で汗をかいても『暑すぎるわ』とさえ言えず、男性と平等に仕事をこなしてきたの。それが70代になってばかげていると思えて、自身の人生を伝える気になったのよ。今は、恥じることなく単に年老いた女性で居たくなったの」と明かす。

 では、彼女が人生をささげてきたドキュメンタリー映画の今後についてはどのように考えているのだろうか。「よほど並外れた人で、これまであまり映画化されていなくて、伝えるべき人以外は、ドキュメンタリーは一般の人たちを描くべきね。ドキュメンタリーは誰のものでもあって、全ての人にストーリーがある。誰もが(困難な状況を)生き延び、勝利してきたストーリーがある」と持論を展開。

 続けて「この先、世界がもっと大きなトラブルに巻き込まれる気がするから、ドキュメンタリー映画は重要な役割を担うと思う。だから、セレブを描いたエンターテインメント性の強いドキュメンタリーは少なくなり、より世界を動かす内容のドキュメンタリーが製作されると思うわ。わたしは、フィルムメイカーたちが重要なことに取り組み、(内容の薄い)リアリティー番組が無くなるのを望んでいるわ」と語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)