辛いことが積み重なる、または過度の緊張から胃がキューっと痛むことがあります。ココロの痛みが胃の痛みへと伝染するのはなんとも不思議なことです。しかし精神と体の関係は密接であり、ストレスが原因で胃を病んでしまうことはよくあることなのです。

「機能性ディスペプシア」とは
ストレスで起こる胃の不快感

胃に痛みやもたれなどがあると、胃潰瘍などの病気ではないかと、気がかりになります。しかし最近では、胃に不快な症状があるにもかかわらず、内視鏡で検査をしても胃の異常が見つからないケースが増えているそうです。このようにストレスが原因で胃の機能が低下し、不調が起こる場合は「機能性ディスペプシア」と診断されるようになりました。

ディスペプシアとは消化不良の意味です。以前は、このようなストレスによる胃の不快症状は神経性胃炎と呼ばれ、一時的なものだと軽くみられる傾向にあったようです。しかし近年はストレスが体に与える影響が重視されるようになり、ストレスは胃だけではなく、内臓器官全般に不調をきたすことが分かっています。例えば下痢などが頻繁に起こる過敏性腸症候群もストレスが原因とされています。

ところで内臓器官の健康を維持する上で厄介なことは、私たちの意思では動かせないことでしょう。内臓の機能調整は自律神経によっておこなわれています。だからストレスが重なり自律神経のバランスを乱してしまうと、私たちの意思とは関係なく、内臓の調子が狂ってしまうのです。

自律神経の乱れが、胃の調子を狂わせる

自律神経には2種類あり、一つは交感神経(体を興奮させて活発にする)、もう一つは副交感神経(体をリラックスさせる)です。この2つがバランスよく働くことで、健康が保たれ内臓が順調に機能します。しかしストレスによりバランスが崩れ、どちらか一方の神経が、強く作用しすぎることがあります。

すると胃に関していえば胃酸が過剰に分泌されたり、血液の流れが悪くなって胃の粘膜が正常に機能しなくなる結果、胃の不快感が現れます。機能性ディスペプシアの主な症状として挙げられるのは、胃の働きが悪くなることで起こる胃のもたれ、胃が物を受け入れず、少しの食べ物で胃が一杯になる膨満感、またみぞおちの痛みや焼けるような感覚です。

ストレスとうまく付き合う方法を見つけよう

胃に不快な症状があるときは、とりあえず市販の薬を飲んで様子を見ることが多いのではないでしょうか。しかし軽く見ていると慢性化したり、ときには大きな病気が潜んでいることもあります。症状がおさまらない場合は、内科か胃腸外科を受診してみることをおすすめします。ストレスによる機能性ディスペプシアの厄介なところは、ストレスを除かない限りは悪化したり慢性化しやすいことです。

ストレスを取り除くとは言うは簡単、しかし実行するのはなかなか難しくもあります。ストレスを完全に取り除けなくても、息抜きのできる時間をちょっとでも持てるように、努力してみるだけでよいのです。ストレスとうまく付き合う方法を見つけることで、少しずつ変化が現れるかもしれません。


writer:Akina