ハグキの色はピンク色がいい? ハグキの色が表すこと

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執筆:影向 美樹(歯科医師)

美しい口元に必要な要素としてまず思い浮かぶのは、「白く輝く歯」ではないでしょうか。

近年は手軽に歯を白くできる歯磨き粉なども販売され、若い女性を中心にホワイトニングの人気はますます高くなってきています。

しかしどんなに白く美しい歯を手に入れても、その周りを縁取る歯茎(ハグキ)の色が赤みを帯びていたり黒ずんでいては、その美しさも半減してしまいます。

また歯茎の色はそこに潜む病気を示すサインでもあるのです。

今回は健康な歯茎とそうでない歯茎の色の違いや、歯茎が変色する原因などについて詳しくご紹介していきたいと思います。

健康な歯茎の色はコーラルピンク(珊瑚色)

歯茎の表面は、一定の厚みのバリア層を持つ上皮に覆われており、外部から受けるあらゆる刺激から口の中を守っています。

その上皮の下には、歯を支える骨や組織に栄養を送る毛細血管が張り巡らされており、その色が上皮から透けて淡いピンク色を呈します。

一口にピンク色と言ってもその種類も様々ですが、健康的な歯茎の色はコーラルピンクと言われます。コーラルピンクは珊瑚色とも呼ばれ、乳白色に淡い赤みを帯びたピンク色です。

歯茎が健康である証拠はその色だけではありません。

例えば歯と歯の間の歯茎が、丸みのないきれいな三角形であることは歯茎が健康である証です。

そして美しい歯茎にはハリや弾力があり、歯ブラシを当てても出血などは見られません。

また歯茎が健康であれば「スティップリング」と呼ばれる、オレンジの皮のような小さなくぼみが見られます。

歯茎の変色とその原因

歯茎の変色は、そこに潜む病気や体の状態を伝えるサインである場合もあります。
 
それでは歯茎の色が具体的にどのような色に変化しやすいのか、またそうなる原因などについて詳しくみていきましょう。

赤く腫れぼったい歯茎

歯茎が赤みを帯び、腫れぼったくなるのは、歯茎に炎症があるサインです。

最も多いのは歯肉炎や歯周病などの歯周疾患で、歯茎に細菌が感染してしまうことで歯茎が充血したり、周囲の組織が破壊されて出血しやすくなることで赤みを増してしまいます。

また、食事中にやけどをしたり、歯ブラシなどで歯茎を傷つけたりした時も、歯茎から出血して赤くなる場合があります。

暗赤色または紫色に黒ずんだ歯茎

歯茎が暗赤色、または紫がかかって黒ずんだ色を帯びるのは、血行不良や色素の沈着などが原因です。

例えば歯周病によって組織の破壊が進むと、血流が滞りやすくなり、歯茎の色が紫色を帯びてきます。

また紫外線によってメラニンが生成されると、歯茎の色は少しずつ黒ずんでいきます。

ただ歯茎が紫色に黒ずむ原因で最も多いのはタバコです。タバコは歯茎の血行を悪くするほか、タバコの成分によってメラニンを作る細胞を刺激します。

さらにタバコによってビタミンCが破壊されると、メラニン色素の沈着がさらに進んでしまい、黒ずんだ歯茎になってしまいます。

歯茎の一部が黒い

歯茎全体ではなく、一部が黒く変色する原因で多いのは、治療した歯の詰め物や被せ物に使用される金属です。

被せ物などの金属が歯茎に触れていると、金属の成分が歯茎に溶けだし、その部分だけ歯茎が黒く変色することがあります。

また歯科治療の際に飛び散った金属片によって変色する場合もあります。

これはメタルタトゥー(金属刺青)と呼ばれるもので、残念ながらその部分を外科的に切除する以外に元に戻す方法はありません。

メタルタトゥーは詰め物や被せ物を入れる際に、プラスチックやセラミックなど選択することで防ぐことができます。

歯茎の一部が白っぽい

歯茎の一部が白っぽく変色した場合、カンジダ症や白板症といった粘膜疾患の疑いがあります。

カンジダ症はカビの菌(真菌)が原因で、白い部分を拭うと落ちるのが特徴です。

反対に拭っても落ちない場合は白板症の疑いがあります。白板症の中には放っておくと口腔ガンへ移行するものもありますので、早めに歯科を受診する必要があります。

気になる際は歯科医へ相談を

歯茎は外部からの様々な刺激によって色が変わってしまいますが、治療によって改善できるものもあります。

たとえば、歯肉炎や歯周病など歯茎の病気による変色は、その疾患を治療して治すことで改善できます。

またメラニンの沈着による黒ずみなどは、歯科用レーザーを用いたガムホワイトニング(歯茎のホワイトニング)で改善できるようになってきました。

歯茎の色が気になっている人は、ぜひ一度歯科医院で相談してみましょう。


<執筆者プロフィール>
影向 美樹(ようこう・みき)
歯科医師。歯科医師免許取得後、横浜と京都の歯科医院にて勤務を経て、現在は医療系ライターとして活動中