とろろでも、煮てもおいしい

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【あさイチ】(NHK)2017年5月9日放送
「春がおいしい!長芋」

暑さが増してくるこれからの季節、滋養強壮や体力維持に長芋がお勧めだ。すり下ろしてとろろにして食べてもよし、料理の主役やわき役として用いてもよし、工夫次第で食べ方はいろいろある。

番組では長芋を使った多様なレシピを紹介したが、ここでは主に長芋の効能や、長芋を扱う際のポイントを取り上げる。

生でなく煮ても血糖値上昇はゆるやか

長芋の「凄さ」を解説したのは、横浜国立大学名誉教授の渋川祥子さん。長芋といえば、とろろにした時のネバネバ感を思い出す。この粘り成分は糖たんぱく質で、胃の粘膜を保護する。

長芋に多く含まれる「ジアスターゼ」という成分は、消化を助ける。さらに「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」は、血糖値を上がりにくくする。最近は、食後に血糖値が急上昇し、短時間で正常な値に戻るという激しい上下サイクルを繰り返す「血糖値スパイク」が懸念されている。これが糖尿病、さらには血管が傷ついて心筋梗塞やがんといった深刻な症状につながる恐れがある。血糖値の上昇をゆるやかにすることで、血糖値スパイクを予防できる。

ここで番組MCの井ノ原快彦が質問した。

井ノ原「血糖値を考えたら、(長芋を)生で食べた方がいいですか」
渋川さん「煮ても、ほかと比べてレジスタントスターチが多いので、ゆっくり血糖値が上がります」

さらに、最近見つかった成分「ディオスコリンA」は、インフルエンザウイルスをやっつけるというから心強い。抗酸化作用のあるビタミンEも含まれており、まさに栄養の宝庫だ。

皮膚がかゆくなるのを防ぐには

一方で、料理に長芋を使う上で注意点がある。視聴者から番組に寄せられた「悩み」に、渋川さんと、和食店料理長の鎌田雄志さんが答えた。

最初は、どのように変色を防ぐかという相談。鎌田さんは、先端が細い方でなく丸い方から使うという。渋川さんは、皮の周りにあるポリフェノール物質が酵素によって変色する原因になるので、皮を厚くむくによう勧めた。ほかにも酢を加えると変色しにくくなるという。

酢には、長芋を調理する際に皮膚がかゆくなるのを抑える効果もある。長芋には「シュウ酸カルシウム」が含まれている。この結晶は針のような形で、長芋を生のまま触るとチクチクとかゆくなるのは、これが原因だ。酢で30〜60分ほど漬けておけば、シュウ酸カルシウムは溶ける性質がある。

長芋を食べて口がかゆくなる人がいるだろう。これはアレルギー反応の可能性があるので、食べる前に確認しておこう。

使いかけの長芋の保存は、鎌田さんが実演した。長芋を水で洗い、切り口だけをラップで包む。全体的に濡れたままキッチンペーパーで巻いて、冷蔵庫に入れた。

渋川さん「冷蔵庫の中は乾いていて、そのまま(長芋を)入れると乾燥します。でも、芋と水が直接触れていると(品質が)悪くなるので、紙で巻いて水分補給をしてあげる。少ししたら、紙が乾かないようにポリ袋の中に入れるとよいでしょう」
MCの有働由美子アナ「とろろにして、まとめて保存というのは?」
渋川さん「使う分だけ小分けにして、密閉袋に入れて冷凍していただければ(大丈夫)。2〜3か月は、ゆうに持ちます」