てるみくらぶ破綻で被害者も続々(写真:時事通信フォト)

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「イタリア8日間10万円」「豪華ビーチリゾートに泊まる沖縄旅行2泊3日2万9000円」──驚きの格安料金で読者を惹きつける旅行広告が、連日新聞紙面を埋め尽くさんばかりに掲載されている。

 なぜいま新聞紙面に旅行広告が増えているのか。ある大手旅行会社関係者が明かす。

「新聞の定期購読者は、財力に余裕があるシニア層。旅行会社がターゲットとしている客層とバッチリ重なるため、広告への反応が抜群です。実際、新聞広告を見て電話をしてくる7割以上がシニア層。新聞広告掲載日とその翌日は電話オペレーターを増員しています」

 しかし、新聞の旅行広告には“落とし穴”もある。旅好き高齢者に冷や水を浴びせたのが、旅行会社「てるみくらぶ」の経営破綻だった。

「金婚式のお祝いに申し込んだ旅行を中止せざるを得なくなった。しかもお金は返ってこない。散々な目に遭いました」

「現地に着いたらホテルが勝手にキャンセルされていて追い出された。必死になって探した代わりのホテルは自腹です。帰りの航空券も発券されずに空港で再度購入することに。元々のツアー料金の3倍以上を現地で支払うことになった」

 こんな被害の声が後を絶たない。同社は元々、ネットで格安ツアーを販売していたが、顧客拡大を狙って昨年春から新聞広告を始めた。

「破綻6日前まで広告を出し続けていた同社の代表は『出広が財務を悪化させた』と会見で説明していたが、“確信犯”の疑いも強い。“全国紙にバンバン広告を載せているから”と安心して申し込んでしまった被害者も多かった」(社会部記者)

 しかも同社が謳っていた新聞広告の〈現金一括キャンペーン〉は「破綻のシグナルだった」と指摘する旅行業界関係者は多い。

「財政難で目先の資金繰りが厳しかったため、値引きキャンペーンをエサに、現金を集めようとしたのでしょう。同社が自転車操業だったことを暗に示唆していた」(旅行業界関係者)

※週刊ポスト2017年5月26日号