腸閉塞治療のため腹腔鏡手術を受けた斎藤さん(2017年3月28日撮影)

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40代のとき腎臓がんの治療で開腹手術を受けたあと、腸の中が狭くなったり、ねじれたりして、内容物が詰まってしまう「機械的腸閉塞(機械的イレウス)」になった斎藤孝幸さん(51歳)。

完治させるには再手術が必要だが、治療のために開腹手術をしても再癒着する危険性があるため、病院から手術を断られるケースもあるという。斎藤さんはどのような治療を受け、回復したのだろうか。エイジングスタイルの記者が体験談を聞いた。

腹腔鏡手術で治療

― 腸閉塞を抱えながら生活するのは、ご苦労が多かったでしょう。
斎藤:食事に気を付けていても、仕事でお客様と食事をするとなれば、残すわけにはいかない。もし、入院となったら最低1週間は休まなければなりません。私の場合は幸いにも職場の理解があったので、なんとか乗り越えられましたが、いつ襲ってくるかわからない腹痛におびえながら働くのは大変でした。病気になったときの生活の不便やつらさは、体験してみないとなかなか気づけませんね。

― どのくらいの期間、苦しんでいたのですか。
斎藤:約2年くらいです。最初は食事に気をつけてガマンして過ごそうと思っていました。でも、食べられないことって本当につらいんです。最後の晩餐は何にするかって聞かれたら「焼肉」と答えるくらい好きなんですが、そうするともう、食べない苦しみっていうのは一番つらいと実感しました。

― 腸閉塞の治療を受けようと思ったきっかけは?
斎藤:何度目かの再発で受診したとき、医師に「そんなに詰まってなさそうだけど、イレウス管をいれますか?」と聞かれました。
救急で運ばれたときの苦しみやつらさがよみがえってきて、思わず「すいません、それは勘弁してください」と言ってしまったんです。そうしたら「処置をするときは上から放射線が出る。俺たちだってそういう危険を承知でやってるんだぞ!」と強く言われ、「助けてやったのに、文句を言うな」と言われている気持ちになりました。そのとき、二度と腸閉塞になりたくない。完治させたいと思ったんです。

― それから最初にしたことは?
斎藤:まずは、インターネットで腸閉塞の治療方法を調べました。そこで、お腹に数か所小さな穴をあけて行う腹腔鏡手術なら、普通の手術より出血量が少なく再発率は低いと知り、さっそく対応してくれる病院を受診したんです。そして、2015年の11月に腹腔鏡手術を受けました。手術後、先生に聞いた話によると、腹膜と腸が癒着し、腸同士も曲がった状態でくっついていたそうです。手術時間も長かったと聞きました。

食べられる幸せ

― 手術後の体調はいかがでしたか。
年末にはもうゴルフをしていましたよ。正月休みは久しぶりに好きなものを食べて過ごせました。それから、ボロボロだった爪や肌も次第にツヤが出てきて、食べることは健康に直結していると実感しました。いま(2017年3月取材時)も体調はいいです。家族で焼肉店に行ったら、思いっきり食べています(笑)。

― 腸閉塞で悩んでいる方に伝えたいことは?
斎藤:私は、腎臓がんの手術がきっかけで腸閉塞になりました。がん治療をしてもらい助かったのだし、腸閉塞を治すために開腹手術をしても再発するケースもあると聞き、最初は再手術しないで食事制限を続け一生を終えようと思っていたのですが、食べられないと体も気持ちも落ち込んできます。いま思えば、腸閉塞を患っていた時期はいつもイライラしていたかもしれません。
いま、かつての私と同じように悩んでいる人がいたら、腸閉塞は治療できるということを知ってほしい。そして、痛みに耐えたり、食事制限を続けたり、ガマンする必要はないんだと伝えたいです。(おわり)
※治療例や効果は個々の症例で異なります。

医師・専門家が監修「Aging Style」