トランプ大統領の言動・疑惑で大きく変動する5月16日のドル円為替

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 先週に1ドル114円を突破し、円安傾向が続いていたが、ここにきて1ドル113円台で停滞している。北朝鮮のミサイル発射に伴う地政学リスクは今のところ市場に大きな影響を及ぼしてはいないようだ。1ドル114円手前で伸び悩んだ原因はアメリカ自体にある。

 5月15日21:30(すべて日本時間)に発表されたアメリカの経済指標は、5月ニューヨーク連銀製造業景況指数が昨年10月以来となるマイナスであった。あくまでもニューヨーク地区の景況感であり、ISM製造業景況指数を予想するための指標であるが、4月のCPIも低調だっただけに市場はネガティブに反応した。1ドル113円79銭から1ドル113円26銭までドルは売られた。

 23:00に発表された5月NAHB住宅市場指数が事前予想を上回ったこともあり、5月16日3:00には1ドル85銭まで戻したが、6:00ごろに大きく下げることになる。

 ワシントンポスト紙がトランプ大統領の疑惑を報道したためである。トランプ大統領がロシアの外相と大使に機密情報を漏えいしたというものだ。直後に1ドル113円55銭まで下値をつけた。8:12ごろにマクマスター大統領補佐官が火消しのコメントを発表している。

 経済指標がやや弱い結果になっていても6月の利上げはほぼ確実視されている。これが今のドルを支えているのだろう。さらにトランプ大統領の掲げる大規模税制改革が期待感を煽っている。朝鮮半島の地政学リスクやトランプ大統領のスキャンダラスな報道でもまだ1ドル113円をキープしているのがその証だろう。

 本日はアメリカ上院で非公開公聴会が開催予定だったが、前FBI長官は出席を断っているらしい。トランプ大統領には前FBI長官との会話テープの提出を要請している。これらの動きが他の改定案の審議を停滞させる懸念が広がっている。北朝鮮に対しては本日、国際安全保障理事会の非公開緊急会合が開かれる。

 地政学リスクに前FBI長官解任騒動、この二つが前向きな解決がドル高がさらに進むかのポイントになりそうだ。