鈴木愛の今季初優勝で幕を閉じた「ほけんの窓口レディース」。プロアマを棄権せざるを得ないほどの左ひざ痛を抱えながらも、2日目に30ホールを戦い抜き首位に立つとそのまま逃げ切った。そんな鈴木の圧勝劇を上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が振り返る。
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■短くてもスコアが出ないコース 距離以上の難しさをどう制するか
6,308ヤードとツアーでも短い部類に入る福岡カンツリー倶楽部 和白コース。加えて地面が固くランが出るため数字以上に長さを感じないコースだが、アップダウンにドッグレッグと戦略性が高く、2桁のスコアが出たのはコース変更後6回中2回、それも10アンダーというスコアが難しさを物語っている。
「とても難易度が高いコースで、ハーフで4回くらい100ヤード前後のショットが求められる。また、砲台グリーンが多くピンの根本が見えないグリーンに打っていかなければいけない場面も多いので、残り100ヤードでもピタッと止めるのは難しい。歴代優勝者がイ・ボミ選手、申ジエ選手と言った実力者ばかりなのもうなずけます(辻村氏)」。飛距離が無くても決してフロックでは勝てないのが今大会だ。
■OBを打った17番の攻め方に鈴木愛の強さを見た
そんなコース変更後海外選手しか勝っていなかった今大会を、日本勢で初めて勝った鈴木愛。彼女を辻村氏は“自分を良く知っているプレーヤー”と表現する。
「鈴木選手のためのような大会でしたね。しっかりと“鈴木愛のスタイル”を持っているから、他の選手の攻め方に惑わされません。自分の状態とコースを照らし合わせて最善の選択ができていました」。その強さが際立ったのがOBを打った17番の攻め方だ。「2位に4打差をつけた勝ちゲーム。ティショットでスプーンを選択してもおかしくありません。ですが展開に関係なく彼女はドライバーを握りました。ドライバーの調子が良いから下の段を狙っていきました。結果としてOBとなりましたが、2打目も1Wを逃げずに握りしっかりと振っていました。ミスを優先的に考えず、じぶんのやるべきことをやっているのです。ゴルフに対する頭の良さを感じますね。常にゴルフのことを考えているからだと思います」
ぶれない態度は練習時も変わらない。「自分を知っているから、きちんと分析してあれこれやらない。そして練習を1人で取り組んでいるのもいいですね。強くなる選手と言うのは“孤独の戦い”に勝てている人ばかり。最後の最後は結局自分ですから。そういう練習への取り組み方が彼女を強くしている一番の部分と言えると思います」
■左ひざを痛めていても変わらないショット パーオン率の成長を促す“しっかりとしたドロー”
スタッツ面を見ていくと昨年から飛躍的に向上しているのがパーオン率。昨年の29位から現時点で9位と20ランクもアップした。ショットの成長に好調さを感じずにはいられない。
「昨年は低重心だったけど、股関節の深みが足りない印象でした。それが今年は股関節でクラブを動かせるようになったことで、バックスイングで右足に乗った圧を左足の深い位置へ移動できるようになっています。打ちに行く動作がなくなりました。それにより手元でラインを出すというよりも、下半身でラインを出す感じになっています。左ひざを痛めているということですが、私が見る限り悪い感じやかばっているという印象は受けませんでした」
昨年フェードが多かった球筋を今年はドロー中心に。「昨年よりも球が一筋高くなっている」という“しっかりとした”ドローを生み出しているのはフェースの使い方だ。
「アマチュアの人に多いのがドローを打とうとして、フェースを返さなければとインパクトの前に返してしまう人。そうなるとフック、ひどい場合はチーピンしかでません。捉えるときはあくまでフェースはスクエアでなくてはいけないのです。鈴木選手はボールを捉えた後にピシッと絞り返ってくる。まだ右腕がインパクトまで伸びません。捉えた後に伸びていく。押し込みながら返していけているスイングの動きです。平均パットとバーディ数が1位でパーオン率9位。賞金ランクは今のところ2位ですが、今の状態なら俄然トップも見えてくると思います」
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子らを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
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