By Faith Goble

仕事に行き詰まっている人は「もっと仕事をしてもっと集中しなければ」と思うことがありますが、クリエイティブなアイデアは忙しくしても生まれることはなく、むしろ上の空の時やリラックスしている時に生まれることを示す研究結果がいくつも存在します。

Happiness research shows the biggest obstacle to creativity is being too busy - Quartz

https://qz.com/978018/happiness-research-shows-the-biggest-obstacle-to-creativity-is-being-too-busy/

カリフォルニア大学サンタバーバラ校心理学学部のジョナサン・スクーラー氏は、あるタスクに集中している時よりも、「心が彷徨っているとき」の方がクリエイティブな力が発揮される傾向があるという研究結果を発表しています。「心が彷徨う」とはぼんやり空想したり、集中していない状態のことを指しています。

実際に、歴史に名を残す偉人でもこの傾向を感じられるエピソードがいくつか知られています。たとえば、ニコラ・テスラが現代の交流電流のメカニズムにつながる「循環磁界」に関する洞察を得たのは、1881年にブダペストを旅行している途中で病気にかかったあと、体調が戻ってきて夕方の浜辺を散歩している時だったそうです。19世紀の有機化学者アウグスト・ケクレは「ヘビが自分の尻尾を食べてリング状になっている」という白昼夢を見たことから、ベンゼンの環状構造に気付きました。理論物理学者のアルベルト・アインシュタインは、複雑な問題に取り組むときにはモーツァルトの音楽をかけていました。

「The Happiness Track」の著者であるエマ・セパラ氏は、これらは「知的要求の少ないタスク」と「集中を要するタスク」という2つの思考モードを切り替えることでクリエイティビティを生み出す方法であると考えました。

しかし、多くの現代人はこうしたクリエイティビティを発揮するには「脳を怠けさせる時間がない」とセパラ氏は指摘しています。就業時間中は仕事に集中し、そこから解放されて休みが取れるはずの移動中や休日にはずっとスマートフォンを眺めたりNetflixを見て過ごす、というような生活だと、脳は休みなく情報を処理し続けることになり、「心が彷徨う」ひまがなく、クリエイティビティは発揮されないというわけです。そこでセパラ氏はいくつかの研究結果をもとに、「クリエイティブな思考をブーストする3つの方法」を提唱しています。

◆1:電話を持たずに散歩する習慣をつける

優れた作品をいくつも生み出したイギリスの作家チャールズ・ディケンズやJ・R・R・トールキンは、毎日散歩する習慣があったことが知られています。2014年の散歩の効果を実験した研究結果(PDFファイル)では、毎日散歩する習慣のある人は、そうでない人よりクリエイティブな思考を測るテストで高評価を得点したほか、毎日屋外を散歩していた人は、毎日ウォーキングマシンを使っていた人より独創的で、想像力豊かなアナロジーを思いついたそうです。毎日少しでもスマートフォンを身につけずにぼーっと歩くことで、頭の中を空っぽにして良いアイデアを得る助けになります。



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◆2:快適な空間から抜け出す

自分の得意な分野だけに集中するのではなく、新しいスキルを身につけたり、新しい勉強を始めることがより良いクリエイティブな思考につながるとのこと。行ったことのない場所へ旅行したり、自分の業界とは異なる人と交流を持つなども含まれます。2012年の研究は、自らの経験を多様化することが思考の幅を広げ、革新的な解決策を思いつくことを助けることを示しています。



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◆3:大人になっても遊ぶ

犬や猫は成長してもオモチャを使って遊びますが、「Play(遊ぶ)」の著者であるスチュワート・ブラウン氏は「人間は成人期に遊ばなくなる唯一のほ乳類である」と語っています。一方で、2004年の心理学研究は、「遊ぶ」ことはポジティブな気分を高め、幸せな気持ちになれるだけでなくより独創的になれることを示しています。「大人だから」といって遊ぶことを控えるのではなく、愛犬と一緒にフリスビーで遊んだり、子どもと一緒にツイスターを行ったり、仲間を集めてフットサルに興じるなどの時間を設けるといいというわけです。



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