「ソーシャルメディア・ガバナンス」が企業に不可欠な理由

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英BBC放送のあるジャーナリストはツイッターに、同国のエリザベス女王が死去したとする誤った内容のコメントを投稿した。誤ってポルノ映像へのリンク先を添付した米スポーツ専門局ESPNのアナリストもいる。ソーシャルメディア上での重大なミスは、数えきれないほどある。

企業は従業員により自由にソーシャルメディアを使って(自社の情報を広めて)ほしいと考えている。だが、一方でそれに伴うリスクは、かつてないほど高まっている。従業員らの失敗が、企業のブランドに重大なダメージを与える可能性もあるのだ。

ブランドのプレゼンスマネジメントのためのソリューションを提供するブランドル(Brandle)のチップ・ロバーソン最高経営責任者(CEO)は、ソーシャルメディアのガバナンスとは何について、次のように述べている。

──ソーシャルメディア・ガバナンスとは?

ソーシャルメディアの利用に関して、方針と手段、採用するツールなどを定めることだ。企業はこれらによって、確実に自社の「資産」を守り、リスクを最小化し、コンプライアンスを維持することができる。

ソーシャルメディアは基本的に、企業内においても有機的に、かつ非集中型で発展してきたものだ。それに対するガバナンスとは、インターネットを通じた顧客とのあらゆる接点を社内全体に周知し、基準に沿ったそれらの利用と運用を行っていくための枠組みを作り、維持していくことだ。

──そのガバナンスが必要な理由は?

企業はソーシャルメディアでのプレゼンスを確立するために、多大なリソースを投入してきている。だが、規模に関わらずどの企業にとっても、インターネット上に構築した「資産」の管理は非常に分散化したものとなっている。ガバナンスのためのプログラムの構築は、ブランドと企業自体を守るために不可欠だ。

指針の設定と研修の実施によって、企業のソーシャルメディアにおけるアクセスポイントの確立や管理に携わる全ての従業員に、自社の「資産」を守るとともにブランドを代表し、不要なリスクを回避する上での自らの役割の理解してもらうことが可能になる。

だが、「フォーチュン100企業」に入る企業でさえ、インターネット上での自社のプレゼンスを完全に把握しているものはない。最も適切に管理できている企業でも、集中化できている割合は50~60%程度にすぎない。そして、多くの企業は自社に関連したソーシャルメディアのアカウントを、数百も数千も保有している。

さらに、フェイスブックやグーグルプラスで作成したページを管理していない企業も多い。こうしたページは、自社の公式サイトと統合するか、適切に管理すべきものだ。

以下、ソーシャルメディア・ガバナンスについてロバ―ソンが指摘するその他の点を紹介する。

・ ほとんどの企業が、自社ブランドのネット上の「資産」に対するアクセスにどのようなデバイスやツール、アプリなどが使われているかを把握していない。

・ ソーシャルメディアを通じたブランディングは、一貫性を欠いたものになり得る。それは、アクセスポイントとなるアカウントなどを作成した従業員が、その作成時に適切な情報や発信すべきメッセージを認識していなかったり、アカウントが作成された後にそれらに関連する基準が変更されたりするためだ。

・ 多くの企業は、サイト上で自社ブランドとの強い結びつきを明示している従業員のアカウントや関連サイトを監視していない。監視されていないこうしたサイト上で、企業の方針に反する情報が発信されたり、その他のリスクに関連する問題が発生したりすることは非常に多い。

・ 企業のブランドにとって適切といえる形で、ソーシャルメディア上でのプレゼンスを確立することは非常に簡単だ。だが、それは同時に、偽物やなりすましなどの被害を受けやすいということでもある。