14日、韓国の所得格差が近年ますます拡大し「不平等」レベルが悪化しているとの報告書が出され、韓国経済が限界に直面していると韓国紙が分析し伝えた。写真はソウル・広蔵市場。

写真拡大

2017年5月14日、韓国の所得格差が近年ますます拡大し「不平等」レベルが悪化しているとの報告書が出された。韓国日報はこれについて、韓国経済はまず「全体のパイを大きく成長させ」、次に「低所得層に富を分配する」目論見で成長を優先してきたものの、2000年以降を振り返れば、「成長」と「分配」の両面で事態が後退し、経済政策が限界にぶつかっていることが明らかになったと伝えている。

韓国現代経済研究院が14日公表した報告書「分配が経済成長に及ぼす影響と課題」によると、2000〜09年の韓国の経済成長率は年平均4.2%だったが10〜15年には3.0%に下落、また同期間の所得再分配指数(100点満点)は2.32から2.28に悪化した。これらを他国平均と比較すると、韓国は経済協力開発機構(OECD)加盟国など43カ国平均よりも成長率が高かったが、所得再分配指数の差(各国平均−韓国)は00年の10.88から10年には11.71に拡大し、韓国は比較的高い成長を保ちながらも富の分配という側面では後退していることが分かる。

また韓国経済は、こうした所得分配の不均衡に加え近年は生産性の低下が深刻化し、持続的な成長基盤まで脅かされる状況となっている。韓国の全要素生産性(TFP。労働・資本など全体の投入要素を考慮した生産性)の年平均の増加率は00年代には1.93%だったが、10年代には1.14%に、0.79ポイント下落した。一方で所得不平等の程度を表すジニ係数は、同期間に0.279から0.305に上昇した。さらに韓国の国内総生産(GDP)に占める社会福祉支出の割合はOECD平均(20.2%)に大きく及ばない7.5%にとどまっている。

こうした数値から報告書は、第4次産業革命に備えた人的資源への投資の増大とともに、労働所得分配率改善のための政策導入の必要性を強調、労働者や庶民の所得を増やすことで結果的に経済全体を成長させる方針へ転換すべきだと指摘した。

この報道に韓国のネットユーザーから多数のコメントが寄せられているが、文在寅(ムン・ジェイン)新政権の船出を受けて、懸念よりも期待を訴える声が目立つ。「心配するな。文政権がスタートしたからね」「これからなんとかすればいい。文大統領には退任後も尊敬される大統領になってほしい」といったコメントが共感を得たほか、「李明博(イ・ミョンバク)と朴槿恵(パク・クネ)が国を駄目にした。保守が経済を発展させるなんてたわ言はもうやめろ」「大統領が仕事もしないでドラマを見たり整形したり、退屈すると海外歴訪という旅行に行ったり。分配も成長もあったもんじゃない」「そもそもどうにかする気もなかったんだろ」など、これまでの政権の責任を追及する声も目立つ。

また、「失った10年、取り戻すには10年かかるね」「分配の失敗が出生率の低下につながり、内需回復の失敗につながった」「ここまでぼろぼろにならないと気付かないとは、人間とはやはり合理的な生き物じゃないんだな」など事態を冷静に見ようとする声もあった。(翻訳・編集/吉金)