深酒や暴飲暴食は 週に何度までなら許容範囲?

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私たちの体の中には、「体内時計」と呼ばれる時間が備わっています。
この体内時計を動かす源にあるのが「時計遺伝子」(体内時計をつかさどる遺伝子群)で、私たち人間の体はこの遺伝子によって、目覚める、お腹が減る、眠くなる、などといった生きるための基本的なリズムを刻んでいます。人体の活動の多くは時計遺伝子によって支配されているといってもいいかもしれません。
この時計遺伝子の働きに基づいた時間医学、時間栄養学といった最新の科学的知見をベースにして、体内時計に従って日々、常に快適で効率よく過ごす秘訣を『最新の科学でわかった! 最強の24時間』(ダイヤモンド社)より抜粋して紹介します。

夜の深酒と暴飲暴食による健康リスクを
最低限に抑える秘訣

 体内時計のリズムを整えて健康レベルを高めるうえで大事になってくるのが、夜の時間帯の過ごし方です。
 たとえば、仕事の付き合いやストレス発散で、週に何度もお酒をたっぷり飲む人もいるでしょう。あるいは毎晩の晩酌が欠かせない、なかなか寝つけないで必ず寝酒を飲む、といった人も多いようです。
 また、夜中につい暴飲暴食してしまう人もいます。
 まずいまずいと思っていながら、深夜に甘いものを口にすることはありませんか? 
 アルコールと暴飲暴食がセットになってしまうことも少なくないでしょう。

 ここではまず、「アルコールのとりすぎ」について考えてみることにしましょう。
 摂取したアルコールは血液をつたって脳に運ばれ、神経系に作用することで感覚が麻痺します。これが酔った状態にあたりますが、その過程で体温が一気に上がり、それが急激に下がるため、酔うとやがて眠くなります。そのため、「早くぐっすり眠りたいから、毎晩寝酒を飲んでいる」という話もよく聞きますが、この眠気はアルコールの力を借りた、いわば擬似的なものです。
 飲めば確かに寝つきは早くなりますが、かえって睡眠リズムは崩れ、夜中に途中で目が覚めるなど、眠りは浅くなってしまいます。となれば、早く寝つけたとしても体の疲れをとるのは難しいでしょう。

 こうした睡眠リズムの乱れは、翌朝の体調にも影響を及ぼします。
 体温は夜になると低下し、基本的に睡眠中は低体温の状態が持続しますが、質のいい睡眠が得られないと、寝不足の時と同様に起きても低体温の状態が持続します。ですから、酔いがさめた翌朝は体が重く、さらに飲みすぎでアルコールの分解が不十分だと、その状態を日中まで引きずってしまうのです。これが、いわゆる二日酔いの状態です。低体温が持続した状態ですから、やる気が出ず、エンジンがかからず、おそらく仕事どころではありません。
 アルコールは適度に飲めば心身のリラックスにつながりますが、やはり飲み過ぎは禁物です。

 とはいえ、時にはお酒の席で羽目を外すことで、日頃のストレスを解放し、心身のバランスをとっている面もあるでしょう。その一方で健康上のリスクもあります。では、どのくらいの頻度までなら許されるのでしょうか。

 時間栄養学の柴田重信氏(早稲田大学先進理工学研究科教授)によると、マウスに過食をさせて体内時計のリズムを調べたところ、「週に2日間程度の過食であれば体内時計のリズムも回復しやすく、体重や体脂肪は増加しない」という結果が出ています。こうした過食の中には、もちろん深酒も含まれるでしょう。
「たとえば、2〜3時間の時差ボケならリセットできても、5〜6時間ずれると体が適応できず、調子が悪くなるでしょう。これと同様、1日羽目を外したくらいでは体内時計も影響は受けませんが、3日も続けば時計のズレがひどくなり、体調が悪くなるなど体にも影響が現れます」(柴田氏)
 体内時計のリズムを整えるためにも、飲みにいく機会は週に2回程度に抑え、その分、夜の時間をゆったり過ごす機会を増やしてください。
「ストレス発散=体調を崩す」では元も子もありません。体内時計を意識することで、あまり体を壊さない形でストレス発散ができるようになるはずです。