手のひらでぐるぐる回す玩具「ハンドスピナー」は、アメリカでは「Fidget Spinner(フィジェットスピナー)」という名称で販売されており、大ブームとなっています。ボールベアリング内蔵のプレートを指ではじいて回すだけ、という単純ながら大人気のFidget Spinnerは各社からさまざまな色・形のタイプが販売されていますが、考案した人物には一銭も入っていないという事実があるようです。

As fidget spinner craze goes global, its inventor struggles to make ends meet | Life and style | The Guardian

https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2017/may/03/fidget-spinner-inventor-patent-catherine-hettinger

Fidget Spinnerの誕生秘話は、以下のムービーで解説されています。

Fidget Spinners: The Toy That Changed America - YouTube

アメリカでは「Fidget Spinner」という名称で人気の玩具には、知られざる歴史があります。



1997年、アメリカではビル・クリントン大統領が再選を果たして2期目のシーズンに入りました。



他にも、香港が中国に返還されたり……



クローン羊のドリーが誕生したりと、1997年には数多くの大きなニュースがありました。



そんな1997年に、アメリカ・オクラホマ州出身のキャサリン・ヘッティンジャーさんがFidget Spinnerの原形となる発明をし……



「SPINNING TOY」という名前で特許を取得しました。



ヘッティンジャーさんは、難病を患い体を自由に動かせなくなった娘のために、手を使って楽しめる玩具を開発し、SPINNING TOYの特許につながりました。



1990年代後半といえばファービーやたまごっちなどが市場を席巻していた時期。流行の移り変わりの激しいオモチャ業界はまさに激戦区で、玩具メーカーは毎年のようにヒット商品を探している状態だったとのこと。



「GAK」というスライム状のオモチャが大ヒットしているのを見て、SPINNING TOYのヒットを夢見るへッティンジャーさんでしたが、夢かなわずワシントンD.C.を離れることを余儀なくされました。



というのも、唯一、HASBROというオモチャ会社がヘッティンジャーさんのFidget Spinnerの原形とも言うべき玩具ハンドスピナーの製品化を検討したものの、最終的に商品化には至らなかったからです。



ヘッティンジャーさんはSPINNING TOYの特許を5年間保持しましたが、更新料を支払えずついに特許権は消滅してしまいました。



SPINNING TOYの誕生から約20年後の2017年。



Fidget Spinnerは突如として大ブレーク。Fidget Spinnerに熱中する学生が授業に参加しないため、Fidget Spinnerの持ち込みを禁止する学校が現れるなど、ニュースを騒がせるほど話題の商品になります。



2016年後半は、ドナルド・トランプ氏のアメリカ合衆国大統領選出が大きな話題になりましたが、Fidget Spinnerの大ブレイクはほぼ同じタイミングで起こりました。



ひとつのきっかけは、マクラクラン兄弟が開発したあるオモチャ。



それは「Fidget Cube」と呼ばれるオモチャで、クラウドファンディングサイトKickstarterに登場するや、目標金額の400倍もの出資金を集める大ヒットを起こしました。



Fidget Cubeは手の中に収まる小さなサイズで、スイッチやダイヤルが付いているというオモチャ。



特に目的はなく、カチカチと手の中で遊ばせて楽しむという商品ですが、暇なときにカチカチすると心が落ち着くと大人気になりました。



さしたる目的はないものの手をなぐさめる意味があるFidget Cubeのようなツールには、精神を落ち着かせる効果があり、特にADHD患者の集中力を高めるという大きな効果があるという科学論文も登場しました。



そして、「Fidget Spinners Are The Must-Have Office Toy For 2017」というForbesの記事がクリスマス直前に掲載されると、Fidget Spinnerはクリスマス商戦の大ヒット玩具になりました。



特許を取得するもオモチャメーカーに相手にされなかったヘッティンジャーさんのSPINNING TOYが、Fidget Spinnerとして大ブレイクしたのはまさに青天の霹靂。



特許が切れていたこともあって、オモチャメーカーは、さまざまな形のFidget Spinnerを開発し販売することができました。



今ではオフィスや……



病院や……



ホワイトハウスに至るまで、あらゆる場所に登場する人気商品になったというわけです。



Fidget Spinnerの効用を伝えるニュースも続々と登場しました。アメリカで空前の大ブームを起こしているFidget Spinnerですが、原型であるSPINNING TOYの特許は消滅済み。SPINNING TOYを発明したヘッティンジャーさんには、当然ながら特許使用料は入ってきていません。



・おまけ

不運にも大金をゲットし損ねたヘッティンジャーさんですが、なんと新型「Fidget Spinner」とでも言うべき商品を新たに考案中です



ヘッティンジャーさんと一緒に写真に写る孫娘が手にする緑色の円盤のようなオモチャが元祖Fidget Spinnerとでも言うべき新型で、その名も「Classic Fidget Spinner」だとのこと。





Classic Fidget Spinnerは現在、Kickstarterで出資を募集中。記事作成時点では、早期出資特典として25ドル(約2800円)の出資でClassic Fidget Spinnerを1個ゲット可能ですが、商品の発送はアメリカ国内限定です。出資期限は2017年6月18日午前11時39分までとなっています。

Classic Fidget Spinner Spinning De-stressor Finger Toy by Catherine Hettinger - Kickstarter

https://www.kickstarter.com/projects/638415231/classic-fidget-spinner-spinning-de-stressor-finger