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 2014年に公開された『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(『GotG』)が、更なる進化を遂げて帰ってきた。2作目となる『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(『GotG2』)が、北米で公開1週目の週末に約1億4,500万ドル(約164億円)以上を稼ぎ出し、首位スタートを切ったのだ。前作と興収を比べるとほぼ50%アップしていることを考えれば、そのすさまじい盛り上がりぶりがうかがえる。この傾向は、公開された世界中のほとんどの国にあてはまり、1作目は全くウケがよくなかった韓国でもスマッシュヒットを放った。『キング・アーサー』が登場した2週目も首位をキープし、全米興収は約2億5千万ドル(283億円)に。『Variety』誌によれば、伸び率はマーベル映画仲間の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』や『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』をも超えたという。

参考:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』続編は“泣ける”映画? 監督やクリス・プラットが証言

 この大ヒットを受け、ジェームズ・ガン監督が、自身のFacebook公式ページにて現在の心境を長文メッセージで綴った。「数字が気にならないと言えば嘘になる。毎朝起きて初めてすることは、ベッドでゴロンと寝返りを打ってスマホで興行収入をチェックすることだからね」。一昔前は、映画界で活躍する人の存在は観客にとって非常に遠いものであったが、本人たちの思いをリアルタイムで知ることができるようになったのはまさにSNSの恩恵だ。「でも結局、そんなこと(興収)は僕にとって問題じゃない。こうやって今書いているのは、みんなと、そして自分自身に理解してもらうためなんだ。僕は人間だし、たまにそれを忘れちゃうんだよね」。

 ガン監督は若き頃の衝撃的な願望を告白する。「僕は若かった頃、どうしようもないくらい孤独を感じ、自殺を考えるほどに追い詰められていたことがある。他人と関わるのがとてもつらい時期があって、“属している”と感じられることが全くなかった。周りは愛情をかけてくれているのに、それを感じたり、理解することができなかったんだ」。今やマーベル映画を大成功に導き、有名監督の仲間入りを果たしたガン監督の意外な悩ましき青春時代。そんなガン監督を救った存在とは…?

 「ポピュラーなエンターテインメントが僕の願望を思いとどまらせてくれた。マーベル・コミックス、SF&ホラー映画、セックス・ピストルズやリプレイスメンツがね」。いわゆる娯楽のジャンルであるマンガ、映画、音楽の世界が、ガン監督のイマジネーションを膨らませる手助けとなっていった。アリス・クーパーやフレディ・マーキュリーの歌詞、デヴィッド・クローネンバーグ監督の映画、そして時には『スター・ウォーズ』のチューバッカの唸り声さえもガン監督が「自分は1人ではない」と感じられる対象だったという。

 このような過去を忘れることなく、「今朝、自分に言い聞かせたよ。インターネットで言われている『興行収入がどうのこうの…』っていうのは、ナンセンスで騒音なんだって。僕にとってお金は、住宅ローンを払って、犬と猫にご飯を食べさせ、映画を撮り続けるためのもの。製作期間の2年半は、興収の数字が上がっていくのを見るために費やしたわけじゃないから」と自分に言い聞かせた。

 彼が映画界に身を置くのは、「物語を伝えるのが好きだから」という純粋な理由からだ。フィルムメイカーの仕事を通し、若き頃苦手としていた「人とつながること」もうまいくいくようになったらしい。そのおかげで世界中の国々の人とも触れ合うことができたと、うれしいことに日本の国名も挙げている。自身の経験から、「現在、やさしさや人と関わる心を失い、傷付いたはみだし者のように感じている人、自分自身や他人を信じられなくなっている人も、一歩ずつ学んでいける。そのような人たちは僕でもあり、きみでもある。僕たちはグルートだ」と『GotG』の名セリフを引用してエールを贈っている。

 監督のみならず、『GotG』シリーズや『ドーン・オブ・ザ・デッド』、『スクービー・ドゥ』の脚本も手掛けているガン監督。『スクービー・ドゥ』はアメリカでは1969年から続く人気長寿アニメ番組で、2002年と2004年に実写映画化された。どちらもガン監督が脚本を担当し、『GotG』シリーズでも発揮されたクスッと笑える“ガン監督節”が堪能できる。2020年に公開予定とされる『GotG』3作目の前に、オススメしたい作品だ。(賀来比呂美)