キムが今大会で得たシードは向こう5年間 見事、初優勝の際の目標を達成した  (撮影:GettyImages)

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今週は“第5のメジャー”と謡われるプレーヤーズ選手権が17番の浮き島グリーンで知られるフロリダ州のTPCソーグラスで華やかに開幕。
だが、ジョーダン・スピースは予選落ちを喫し、ジェイソン・デイ、ローリー・マキロイ、リッキー・ファウラーらは、いずれも下位。マスターズ前までは出場3試合連続優勝を誇っていたダスティン・ジョンソンは、ケガからの復帰後は、まだ本調子とはいかないようで今大会でも優勝争いの蚊帳の外の12位どまり。いわゆるビッグネームがこぞって振るわず、優勝争いの顔ぶれは少々淋しいものになった。
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とはいえ、最終日の展開には米ツアー選手たるものの切実な想いが反映されていて、とても興味深く、これぞ米ツアーが旗印に掲げる大会にふさわしいと思えるものになった。優勝したのは韓国のキム・シウ。前半を3バーディー、ノーボギーで回り、後半はすべてパーという安定したプレーぶりが印象的だったが、スコアカードのみならず彼の表情、姿勢のすべてから安定感が漂ってきた。
まだ21歳。同大会の最年少チャンピオンとなり、同じ韓国人のチェ・キョンジュに続く2人目のアジア人優勝者となった。「それはとても栄誉なこと」とキムは語っていたが、重圧を感じながらプレーしていたわけではなかったようだ。
「去年のウインダム選手権優勝で2年シードをもらった。だから、今日はアグレッシブに攻めることができた」。
才能溢れる若手と言われようとも、大きな注目を浴びようとも、どんなにチヤホヤされようとも、出場権が無ければ戦うことはできない。そんなツアープロとしての基本をキムはこの若さですでに痛感している。
Qスクール(予選会)が米ツアーへの“最後の一発勝負”となった2012年。キムは17歳にして挑み、20位に食い込んで翌年の米ツアー出場資格を獲得した。しかし、18歳に満たなかったため米ツアーメンバーになれず、2013年6月の誕生日を待ってシーズン残りの試合に出場したが、惨憺たる成績でシード落ち。2014年と2015年は下部ツアーで腕を磨き、2016年にようやく米ツアー参戦を開始することができた。
そのルーキーイヤーにウインダム選手権で初優勝を挙げたとき、キムが掲げた次なる目標はメジャー優勝でも世界一でもなく「この優勝でもらった2年シードが切れる前に、もう1勝挙げて、さらなるシードを獲得すること」。プレーヤーズ選手権優勝で得たシードは向こう5年間。足元をさらに強固にしたことをキムは静かに喜んでいた。
一時は首位に立ちながら、キムに及ばず2位に終わったのは英国人のイアン・ポールター。すでに41歳、世界選手権シリーズ2勝のベテランが「フロント9はとても緊張した」と興奮冷めやらぬ様子。彼の極度の緊張はシード権を意識したからこそ感じたものだった。
昨季途中で足を痛めて欠場し、今季は公傷制度に助けられて出場しているポールターはテキサスオープンで予選落ちした時点でフルシードが危うくなった。だが、選手仲間のブライアン・ゲイが公傷制度が適用されている選手のポイント計算が「おかしい」と米ツアーに申し立て、それが認められたことでポールターも救われた。
とはいえ、今後の見通しが怪しいことに変わりはない。背水の陣で臨んだ今大会。米ツアーに生き残れるかどうかの瀬戸際にあったポールターは、だからこそ極度の緊張状態に陥り、72ホール目にはシャンクまで飛び出した。「あれは考えすぎて時間をかけすぎたのがいけなかった」。日ごろの毒舌ぶりも、この日ばかりは素直な反省の弁に様変わり。
 
そんなポールターの必死の様相からも、キムの優勝の弁からも、ツアープロにとってのシード権の重さがひしひしと伝わってきた。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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