一帯一路国際サミットに招待を受けて参加している北朝鮮が、なぜその初日にミサイル発射などをしたのか?習近平は思い切り顔に泥を塗られた形だ。サミット後に北朝鮮に見切りをつけるのか?そうすべきだ。

習近平、最大の判断ミス

(以下、敬称を全て省略する。)

5月14日から北京で開催されている一帯一路(陸と海の新シルクロード)国際サミットに北朝鮮代表を参加させることによって、中国は北朝鮮を改革開放の道へといざない、何としても対話の道を選びたかった。というより、「中国は北朝鮮に対話の道を選ばせることに成功した」ということを、世界に見せたかったものと推測する。

中国は今般の一帯一路国際サミットを中華人民共和国誕生以来、最大の事業と位置付けてきた。中央テレビ局CCTVは毎日そのように呼び掛け、連日「一帯一路特集」を報道してきた。

トランプがTPP撤退を宣言して以来、中国こそがグローバル経済のトップリーダーと自らを位置づけ、これで「中華民族の偉大なる復興」が達成され、「中国の夢」が叶うと意気込んできたのである。

そのために自信過剰になっていたのかもしれない。

4月中に核実験をしようとした北朝鮮に、「もし実行したら国境線を封鎖する」とまで脅して核実験を思いとどまらせた。

トランプも、「条件が整えば、会ってもいい」というニュアンスの発言をしていた。

韓国には親北の文在寅政権が誕生する見込みも確信へと変わっていった。

条件がすべてそろったと判断した中国は、北朝鮮をグローバル経済のトップを走る(と中国が位置づけている)一帯一路国際サミットに招待。北朝鮮もそれに応えた。

しかし残念ながら、金正恩という人間は、習近平の期待に応えるような人物ではなかったことが、これで十分に判明しただろう。

こともあろうに、習近平が待ちに待った「晴れの舞台」のその日に合わせて、ミサイルを発射したのだから。これ以上の恥はないだろうというほどの、最高レベルの恥のかかせ方を、金正恩は心得ていたことになる。

習近平の政治人生、最大の判断ミスではなかっただろうか。

いや、驕りであったかもしれない。

対話路線を自ら潰す

しかし、それにしても、これだけの好条件は、金正恩にとってもないほどの、すべての条件が揃い、それを選びさえすれば、北朝鮮にも道は開かれている、おそらく「唯一にして最後のチャンス」だったはずだ。

そのチャンスを、なぜ金正恩は捨てたのか?

いま、何か、「思い知らせてやりたい」とすれば、誰が対象だったのだろう?

遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)