毎年毎年、暑いったらありゃしない都市部の夜。今年もきっと熱帯夜がやってくるに違いない。うまく眠れないんじゃないかしらと思うと、今からちょっとユーウツ。でも今年は大丈夫。睡眠コンサルタントの友野なおさんに、じっくり教えてもらいました、真夏の夜の快眠法。 

シーツの冷たい面を求めてしまうあなた……

夏の夜の寝苦しさにはいろいろ理由がありますが、ひとつは背中がムレてしまうことです。人は季節問わず寝汗をコップ1杯分かきますが、夏は高温多湿の気候がら1年で最も多く発汗しますし、ムレ感が高まってしまいます。

背中がムレてしまうと、熱が体から逃がせず暑苦しくなります。その不快感からシーツの冷たい部分を探して何度も寝返りを打つという経験、ありませんか?

本来、寝返りは睡眠サイクルを整え、就寝中の身体の健康を守るために、とても大切なもの。個人差はありますが、一晩に約20〜30回、寝返りをうっています。

しかし、寝入りばなの20〜30分間に限っては、大きな寝返りをうつことはあまりいいことではありません。この時間帯は浅い眠りから一気に深い眠りに入る移行期。このとき、ゴロゴロと大きな寝返りをうっていると、深い眠りに入る妨げとなり得るからです。徐波睡眠と呼ばれる深い眠りは、睡眠の前半に集中して出現するため、眠り始めから徐波睡眠のステージへとスムーズに移行することは、とても重要といえます。

夏におすすめのシーツ素材はイグサ、麻など

背中のムレの防止には、夏用のシーツを活用するのが効果的です。最近はさまざまな冷感シーツなどが販売されていて、どれがいいか迷ってしまいますね。

選び方のポイントは放湿性と放湿・放熱性にあります。

おすすめ素材のひとつはイグサのシーツです。イグサの編み目がたくさんありますから背中と布団の間にすき間ができ、通気性に優れています。梅雨の時季のジメジメ対策にも一役かってくれるので、日本の気候に合っている素材といえるでしょう。

麻のシーツは吸湿性が高い上に、放湿・放熱性にも優れています。最近では色合いが涼しげでオシャレ感度の高いシリーズも販売されているので、要チェックです。

冷感ジェルマットは物の素材や好みによって評価が分かれますが、店頭で実際に触って試してみると良いでしょう。触った瞬間にヒンヤリしていても放湿・放熱性が低ければ、時間とともにヒンヤリ感は失われていきます。素材には綿、ナイロン、ポリエステルなどが使われていますが、よく素材の特性をチェックしてから購入してください。

抱き枕の意外な効用

枕の中身も快眠のポイントです。頭の中、つまり脳も温度が高いところです。快眠のポイントは「頭寒足熱」なので、脳の温度が上がらないようにすることが大切な条件になります。

そこで頭部がムレないよう、枕にも十分な吸湿性と放湿・放熱性が求められます。その点、優れているのはパイプ素材やビーズ素材。通気性がよく、丸洗いもできるため衛生面が保てるところも大きな魅力ポイントです。そば殻も梅雨から夏にかけてとてもおすすめですが、そばアレルギーのある方は絶対にしないでくださいね!また頭を動かすたびにザラザラと音がするので、音が気になる人にもおすすめしません。

もうひとつ、夏におすすめなのが抱き枕。自然と横向きになって寝るので、背中が布団に着かずにムレにくくなります。また、枕を抱くことで、脇の下と足の間に自然にすき間ができるため風通しがよくなるという利点も。暑さで寝苦しいでも快眠を後押ししてくれる秘策、ぜひお試しあれ。

冷感シーツや枕カバー、最近はいろいろな素材やデザインが販売されています。季節に合わせた寝具の衣替えを楽しんでくださいね。

夏用のシーツに換えてみましょう。洗濯は週イチでね!



■賢人のまとめ
夏の夜に快適に眠るためには、背中がムレないようにすることが大切です。敷布団やシーツを工夫して、背中を爽やかな状態に保ちましょう。枕もあわせて見直せば、さらに「夏のぐっすり」が約束されますよ。

■プロフィール

睡眠の賢人 友野なお

睡眠を改善したことにより体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。
科学でわかるねむりの環境・空間ラボ主宰。著書に『やすみかたの教科書』(主婦の友社)など。