北朝鮮のミサイル実験で地政学リスク再燃か、5月15日のドル円為替

写真拡大

 朝鮮中央通信は5月15日、地対地中長距離弾道ミサイル「火星12」の発射実験が成功したと報じた。金正恩朝鮮労働党委員長の立会いのもとで敢行された実験では、最高高度は2,111kmまで達し、約3000km圏内を射程に入れることができ、アメリカ領土のグアムを射程圏に捉えることに成功したとしている。アメリカはさらなる脅威に直面している。

 あれだけアメリカや中国が牽制したにも関わらずミサイル発射を強硬した北朝鮮が、今後核実験も行うのかについて注目が集まっている。当然のように市場には地政学リスク回避の動きが強まり、週スタートのドル円は先週終値から大きく下げて1ドル113円12銭になっている。先週末からじりじりと下がり始めたドルはこの先どうなるのだろうか。

 ドルの強みは6月の利上げがほぼ確実視されている点である。さらにトランプ大統領が掲げる大規模な財政改革が待っている。こちらがドル買いの大きな材料となっている。

 一方で前FBI長官の解任にともなう上院情報委員会の非公開公聴会が開かれる。これによって税制改革案の審議がストップするのではないかという警戒感が広がりつつある。解任劇があまりにも不透明なために不信感も同時に広がっているのだ。朝鮮半島、シリアといった地政学リスクに併せて、世界的なサイバー攻撃も発生して問題になっている。これらの要素がリスク回避の動きにつながり、ドル売りが強まるかもしれない。

 G7財務相・中央銀行総裁がイタリアで開かれ声明が出されて終了した。為替誘導についてどれだけ踏み込むのか期待されたが、貿易問題について革新的な議論にはなっていない。材料としては弱いだろう。

 ドル買い、ドル売りの材料が交錯する中で為替相場がどのように変動していくのか、突発的なハプニングもあるだけに常に注意して見守りたい。5月15日10:00(日本時間)時点ではドル買いが盛んで、1ドル113円40銭ほどまで戻してきた。先週のように1ドル114円まで上げられるのかどうか、一進一退はしばらくの間続きそうである。