5月場所初日、稀勢の里いきなり敗れる

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■稀勢の里黒星

 14日、大相撲5月場所初日が両国国技館で開催された。稀勢の里が横綱となって初の両国国技館での開催とあって、館内はいつも以上の熱気に包まれていた。東の横綱である稀勢の里の初日の相手はベテランの小結嘉風。元関脇で、これまでに金星を6つ獲得しているだけに難しい対戦であることは稀勢の里も重々承知だっただろう。

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 立ち合いは稀勢の里の方が若干速く、有利な形になったかのように思えたが、すかさず嘉風が押し返した。稀勢の里の状態がふわっと浮くとそのまま嘉風が押し切り、土俵際まで追いやった。土俵際でも粘ることができずあっさりと土俵を割ってしまい押し出された。

 下半身を鍛えたという稀勢の里だが、状態のバランスがかみ合っていなかった感があった。逆に嘉風は終始冷静で、勝った後のインタビューでも稀勢の里を特に意識していなかったと発言。「誰とやっても勝つのは嬉しい」とあくまで15番相撲を取るうちの1番だという思いを打ち明けた。

■その他の注目力士

 稀勢の里だけでなく、横綱鶴竜、大関照ノ富士が敗れ初日は荒れた。特に照ノ富士は、大々的に言われていなかったが綱とりの場所という見方も一部の間ではあった。先場所優勝決定戦まで駒を進めたのがいわゆる「優勝と同等の成績」とみなされ今場所優勝したら「もしかしたら」という感じだった。相撲内容や1月場所に大きく負け越していたことを考慮し、横綱はないとする意見も多かった。

 その為、「15戦全勝した場合に限り」その「もしかしたら」があっただろうが、初日であっさり負けたためもうその話は浮上しないだろう。ちなみに鶴竜を破ったのは御嶽海、照ノ富士を破ったのは遠藤と、次世代を担う期待の力士が奮闘を見せた。

 大関昇進がかかり注目の高安、先場所休場し心配されていた白鵬は共に勝ち、館内を盛り上げた他、20歳の若手のホープ貴景勝がベテラン松鳳山を下した。

■今後の稀勢の里

 左肩にテーピングを巻き、まだ怪我をちらつかせる稀勢の里を心配する声はまだある。しかし先場所の14日目、鶴竜と対戦した時ほどの絶望感はないと言っていいだろう。「きっと調整して明日から連勝を重ねてくれる」そう確信するファンの方が多いことだろう。「どこか脆さがある大関稀勢の里」から「逆境に強い横綱稀勢の里」に生まれ変わった姿を両国国技館でもお披露目したいところだ。

 土俵を割った瞬間、館内に足を運んだ多くのファンが頭を抱えた。そんな彼らは、優勝することで「横綱の敗戦を見た!」と後々誇れることができる。そうなるように2日目からの稀勢の里の活躍に期待したい。