by Frank Behrens

中国にある北京航空航天大学の研究者らが、オンラインコミュニティに投稿される「絵文字」を追跡することによって、人間の感情のうち、最もインターネットで拡散力を持つものが何かを明らかにしました。

What Emotion Goes Viral the Fastest? | Science | Smithsonian

http://www.smithsonianmag.com/science-nature/what-emotion-goes-viral-fastest-180950182/

研究者らはミニブログサイトSina Weiboの投稿に使われた何百万という絵文字をトラッキングしました。Sina WeiboはTwitterのような形でユーザーが自分の意見を表現できるサービスで、中国政府の制限を唯一回避できています。

研究の結果として判明したのは、「喜びは悲しみや嫌悪感よりも広がるスピードが速いが、最も高速で広まるのは『怒り』」であるということ。特に、社会的な問題や外交問題に対して人々が抱く怒りは、瞬く間に拡散されていったとのことです。多くの場合、いったん怒りが燃え上がると、ユーザーAの感情がBに影響し、BがCに影響し、というように怒りが連鎖し、Sina Weibo全体が燃え上がるまで連鎖は止まらなかったとのこと。研究者らは、Sina Weiboにおいてユーザーがメッセージを発するのは単に怒りを表現するためではなく、「自分が怒っている内容についてオンラインコミュニティーのメンバーに対して考えを植え付けるため」であるとしています。



by Félix Calvo Oliva

アメリカにおいても同様の研究が行われており、ペンシルバニア大学ウォートン校でマーケティングを研究するJonah Berger教授は「怒りは、人を行動に移させる、喚起力の強い感情です」「怒りによってあなたは火をつけられたかのような気分になり、それを次へと渡していきます」と語っています。

Berger教授らの行った研究では、ニューヨークタイムズに3カ月の間に掲載された7000本の記事を分析することで、最もメールで他人に送られた記事はどれかが調査されました。調査の結果、記事がポジティブな雰囲気であるかネガティブな雰囲気であるかは拡散力とあまり関係なく、記事を読み終えたあと、読者がどんな気分に活性化させられるかが拡散力に関係あるということが判明したとのこと。例えば、同じ「ネガティブ」なくくりでも、怒りとは違って、悲しみは人を活性化させません。読者が読んだ後に悲しみを抱く記事は、読者をパワーダウンさせるため、憂うつな気分はオンラインコミュニティの中で拡散力が低いものでした。

そして、Berger教授らの研究の中で、「怒り」の拡散力を唯一越えたものが「畏怖」という感情。がんなどの研究で重要かつ新しい発見があったときなど、大いなる知識や美しさに出会ったときの感情は、大きな拡散力を持つようです。