J1リーグ第10節の浦和vs鹿島で暴言を吐いたとして、森脇良太が2試合の出場停止処分となりました。森脇の行為は「他の競技者、その他の競技に立ち会っている人々に対する侮辱」に相当すると判断されています。

まず最初にはっきりさせたいのは、もし森脇が差別発言をしているのなら、それはどんな言葉であれ許されないということです。また、差別発言ではなかったとしても、僕は暴言や暴力行為はなくなってほしいと思っています。

ただし、そういう前提がありながらも、僕はピッチの上で罵り言葉を吐いたり、小突くなどの挑発行為はなくならないだろうと思っています。たとえ日本からなくなっても、それが世界に広がっていくのには時間がかかるか……あるいは広がらないでしょう。

ピッチの上で選手たちは興奮していますし、肉体接触もあってエキサイトもします。また、優勝の行方を左右するような相手なら、余計にアドレナリンモデルでしょう。僕がブラジルでプレーしていたときなどは、さらにひどい挑発もありました。

なので問題は、そういう行為が起きたときにこちらがどう対応するかなのです。僕はできる限り巻き込まれないように、流すようにしていました。今回の問題は、森脇がわざわざトラブルが起きているところに行って、さらに騒動をひどくしてしまったことが一番残念なことです。それで主力選手が出場停止になってしまったのですから、これは大いに反省するべきことでしょう。

今回、森脇が差別発言を行ったかどうかはわかりませんし、お互いの水掛け論で終わってしまうと思います。森脇が差別発言をしたのならアウトですが、そうでなかったとしても反省すべき点は多々あります。ただ、それでも僕は森脇の熱い気持ちのあるプレーが好きです。森脇はチームの中心選手で、元日本代表という自覚を思い出し、ピッチに戻ってきてからのプレーで生まれ変わった姿を見せてほしいと願います。